埼玉医科大医学部
過去問のデータと特徴
特徴:私立医学部の中では標準的か,比較的解きやすい部類に入ります.大学1年レベルの微積分の背景をもつ問題も多くあったりしますが,難問奇問はまず出ないので,予備校での学習効果が実感しやすい大学だと思います.全問マークなので途中過程を省略し素早く求値するのがカギです.大問3で微積が出題され,大問4で場合の数・確率が出題されるという傾向が続いています.順天堂大学同様,正五角形が好きなようです.(黄金三角形と18°シリーズの三角比の知識は必須です.)
前期と後期に大きなレベル差はありません.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢC
頻出分野:場合の数・確率,数列,微積分
試験時間:60分(2021年は50分)
形式:マーク式(係数に1が入ったり,-や0が入ることもあります)
過去問
2019年から,埼玉医科大サイト入試の過去問題ページで,過去問を前期と後期を公開することになったようです(解答はなし).
過去問の解答とコメント
2022年前期
特筆すべきテーマ:積分方程式.通路を曲がれる最大の線分の長さ.正八角形の頂点でできる三角形の個数.
コメント:全体的には典型的ですが,解きにくい問題もありました.第3問は最後の問題が値の整理が難しく,本年最難問かもしれません.第4問は正八角形の頂点でできる三角形の個数で,経験がどこかであるはずです.
2021年前期
特筆すべきテーマ:相加平均と相乗平均の関係.定積分で表された関数の微分.隣接3項間漸化式.
コメント:コロナ禍の配慮で試験時間が50分に短縮された入試で,結論から言うと最高レベルに解きやすい問題でした.第3問の平面図形の問題が意外と沼にハマる人がいるかもしれませんが,満点も沢山出たのではないでしょうか.第4問は病気の感染モデルを隣接3項間漸化式で表したタイムリーな話題でした.
2021年後期
特筆すべきテーマ:部分分数分解.
コメント:後期もコロナ禍の配慮で試験時間が50分に短縮されました.前期と違い計算量が増しますが,大問が3題に削減されたので程よい量かと思います.第2問はどう余弦定理を使うかで明暗が分かれます.
2020年前期
特筆すべきテーマ:バウムクーヘン積分.ベクトルでの三角形の面積.
コメント:すべてが典型的で解きやすく,一昔前の私立医の問題を見るかのような,近年稀に見るイージーさです.
2020年後期
特筆すべきテーマ:末尾に続く $0$ の個数.4次関数の最大値.Σ計算(部分分数分解).ベータ関数.
コメント:前期と同様に解きやすいです.ベータ関数を暗記している人は強かったと思います.
2019年前期
特筆すべきテーマ:桁数問題.3次関数のブロック分割(4等分割).極値の $x$ 座標が綺麗でない3次関数の極値の出し方.
コメント:昨年より計算量が減っていつもの埼玉医科大に戻ったように思います.大問1の問3は3次関数のブロック分割(正式名称ではありません)の知識を使って極大値が最大値であることを判断します.
2019年後期
特筆すべきテーマ:微分係数,導関数の定義.15°シリーズの三角比.
コメント:第1問の問3がやや非典型的ですが(ちゃんとチャート式等の参考書に類題がありますが),導関数の定義を知らなくても解けてしまいます.後は15°シリーズの三角比を暗記している人が強かったと思います.
2018年前期
特筆すべきテーマ:(相加平均)≧(相乗平均)で出すのが早い最大・最小.
コメント:レベルはあまり変わらず,ボリュームが増えました.第1問の問3は赤本よりいい解答です.
2018年後期
特筆すべきテーマ:特になし.
コメント:こちらもボリュームが増えました.
2017年前期
特筆すべきテーマ:判別式で絞り込む問題.関数にも区間にも文字がある2次関数の最大.正五角形と黄金三角形.
コメント:正五角形出ました.黄金三角形の知識を使って解きましょう.
2017年後期
特筆すべきテーマ:当選確実の問題.
コメント:当選確実の問題が真新しいです.
2016年前期
特筆すべきテーマ:$\sinh x$ 双曲線関数の逆関数.15°シリーズの三角比.正五角形と黄金三角形.(2次式)×(等比)の和
コメント:正五角形が出てきたら黄金三角形の知識で一瞬で解答しましょう.
2016年後期
特筆すべきテーマ:2変数関数の最大.双曲線関数.難しい因数分解.曲線の長さ
コメント:前後期ともに双曲線関数を登場させています.
2015年前期
特筆すべきテーマ:ベクトルの平行条件.相反方程式.$\dfrac{1}{\sin x}$,$\dfrac{1}{\cos x}$の積分(原始関数)
2014年前期
特筆すべきテーマ:領域における最大最小(応用編).ウォリス積分
2014年後期
特筆すべきテーマ:共通接線.交点の位置ベクトル.ベクトルを使った三角形の面積
2013年前期
特筆すべきテーマ:難しい因数分解.ベクトルを使った三角形の面積
2013年後期
特筆すべきテーマ:平面の方程式.1次分数型の2項間漸化式.
2012年前期
特筆すべきテーマ:平面の方程式