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2曲線の共通接線の求め方

微分(数学Ⅱ,Ⅲ)(入試の標準) ★★★


アイキャッチ

数学Ⅱ,数学Ⅲ共通ページです.

2つの曲線の共通接線の求め方について解説します.

数学Ⅱは基本的に多項式関数を,数学Ⅲはすべての曲線の接線を扱います.

数学Ⅱの微分を勉強中の人は,2章までです.

接線の公式が既知である前提です.



共通接線の求め方(数学Ⅱ,数学Ⅲ共通)

共通接線と言うと,接点を共有しているかしていないかで2パターンあります.

ポイント

共通接線の方程式の求め方(接点共有タイプ)

共通接線の接点共有タイプ

共有している接点の $x$ 座標を文字(例えば $t$ など)でおき

接線の傾き一致

接点の $\boldsymbol{y}$ 座標一致

を材料として連立方程式を解きます.


上の式がそのまま2曲線が接する条件になります.

続いて,接点を共有していないタイプです.

ポイント

共通接線の方程式の求め方(接点を共有しないタイプ)

共通接線の接点非共有タイプ

以下の方法があります.

それぞれの接点の $\boldsymbol{x}$ 座標を文字(例えば $\boldsymbol{s}$ と $\boldsymbol{t}$ など)でおき,それぞれ立てた接線が等しい,つまり係数比較で連立方程式を解く.

Ⅱ 片方の接点の $x$ 座標を文字(例えば $t$ など)でおき接線を立て,もう片方が主に2次関数ならば,連立をして判別式 $D=0$ を解く.

Ⅲ 片方の接点の $x$ 座標を文字(例えば $t$ など)でおき接線を立て,もう片方が円ならば,点と直線の距離で解く.

Ⅰがほぼどの関数でも使える方法なのでオススメです.

あまり見かけませんが,片方が円ならば,Ⅲで点と直線の距離を使うのがメインの方法になります.

例題と練習問題(数学Ⅱ)

例題

例題

$y=x^{2}-4$,$y=-(x-3)^{2}$ の共通接線の方程式を求めよ.


講義

例題の共通接線の図

例題では接点を共有しないタイプを扱います.それぞれの接点を $s$,$t$ とおいて,接線を出してみます.


解答

$y=x^{2}-4$ の接点の $x$ 座標を $s$ とおくと接線は $y'=2x$ より

 $y$

$=2s(x-s)+s^{2}-4$

$=2sx-s^{2}-4$ $\cdots$ ①

$y=-(x-3)^{2}$ の接点の $x$ 座標を $t$ でおくと接線は $y'=-2(x-3)$ より

 $y$

$=-2(t-3)(x-t)-(t-3)^{2}$

$=-2(t-3)x+(t+3)(t-3)$ $\cdots$ ②

①,②が等しいので

$\begin{cases}2s=-2(t-3) \ \Longleftrightarrow \ s=3-t\\ -s^{2}-4=t^{2}-9\end{cases}$

$s$ 消すと

$-(3-t)^{2}-4=t^{2}-9$

$\Longleftrightarrow \ 0=2t^{2}-6t+4$

$\Longleftrightarrow \ 0=t^{2}-3t+2$

$\therefore \ t=1,2$

$t=1$ のとき

$\boldsymbol{y=4x-4}$

$t=2$ のとき

$\boldsymbol{y=2x-5}$

※ 図からだとわかりにくいですが,共通接線は2本あることがわかりました.

※ ①と $y=-(x-3)^{2}$ を,または②と $y=x^{2}-4$ を連立して判別式 $D=0$ を解いても構いませんが,解答の解き方を数学Ⅲでもよく使うのでオススメです.

練習問題

練習1

2つの放物線 $y=x^{2}+1$,$y=-2x^{2}+4x-3$ の共通接線の方程式を求めよ.


練習2

2曲線 $y=x^{3}-2x^{2}+12$,$y=-x^{2}+ax$ が接するとき,$a$ の値を求め,その接点における共通接線の方程式を求めよ.

練習1の解答

$y=x^{2}+1$ の接点の $x$ 座標を $s$ とおくと接線は $y'=2x$ より

 $y$

$=2s(x-s)+s^{2}+1$

$=2sx-s^{2}+1$ $\cdots$ ①

$y=-2x^{2}+4x-3$ の接点の $x$ 座標を $t$ でおくと接線は $y'=-4x+4$ より

 $y$

$=(-4t+4)(x-t)-2t^{2}+4t-3$

$=(-4t+4)x+2t^{2}-3$ $\cdots$ ②

①,②が等しいので

$\begin{cases}2s=-4t+4 \ \Longleftrightarrow \ s=-2(t-1)\\ -s^{2}+1=2t^{2}-3\end{cases}$

$s$ 消すと

$-4(t-1)^{2}+1=2t^{2}-3$

$\Longleftrightarrow \ 0=6t^{2}-8t$

$\therefore \ t=0$,$\dfrac{4}{3}$

$t=0$ のとき

$\boldsymbol{y=4x-3}$

$t=\dfrac{4}{3}$ のとき

$\boldsymbol{y=-\dfrac{4}{3}x+\dfrac{5}{9}}$


練習2の解答

接点の $x$ 座標を $t$ とおくと,接線の傾きが一致するので

$3t^{2}-4t=-2t+a$

$\Longleftrightarrow \ 3t^{2}-2t=a$ $\cdots$ ①

接点の $y$ 座標が一致するので

$t^{3}-2t^{2}+12=-t^{2}+at$

$\Longleftrightarrow \ t^{3}-t^{2}+12=at$ $\cdots$ ②

①,②から $a$ を消すと

$t^{3}-t^{2}+12=(3t^{2}-2t)t$

$\Longleftrightarrow \ 0=2t^{3}-t^{2}-12$

$\Longleftrightarrow \ 0=(t-2)(2t^{2}+3t+6)$

$\therefore \ t=2$

①より $\boldsymbol{a=8}$

このとき共通接線は

$\boldsymbol{y}=4(x-2)+12\boldsymbol{=4x+4}$

※ この2曲線の図や囲まれた部分の面積の詳細は1/12公式(3次関数)の練習2へ


例題と練習問題(数学Ⅲ)

例題

例題

$f(x)=e^{\frac{x}{3}}$ と $g(x)=a\sqrt{2x-2}+b$ が $x=3$ で接するとき,定数 $a$,$b$ の値を求めよ.


講義

こちらでは接点を共有する(接する)タイプを扱います.方針は数学Ⅱの場合とまったく同じです.


解答

$f'(x)=\dfrac{1}{3}e^{\frac{x}{3}}$,$g'(x)=\dfrac{a}{\sqrt{2x-2}}$

接線の傾きが一致するので

$f'(3)=g'(3)$

$\Longleftrightarrow \ \dfrac{1}{3}e=\dfrac{a}{2}$

$\therefore \ \boldsymbol{a=\dfrac{2}{3}e}$

接点の $y$ 座標が一致するので

$f(3)=g(3)$

$\Longleftrightarrow \ e=2a+b$

$\therefore \ \boldsymbol{b=-\dfrac{1}{3}e}$

練習問題

練習3

$y=e^{x-1}-1$,$y=\log x$ の共通接線の方程式を求めよ.

練習3の解答

$y=e^{x-1}-1$ の接点の $x$ 座標を $s$ とおくと接線は $y'=e^{x-1}$ より

 $y$

$=e^{s-1}(x-s)+e^{s-1}-1$

$=e^{s-1}x+(1-s)e^{s-1}-1$ $\cdots$ ①

$y=\log x$ の接点の $x$ 座標を $t$ でおくと接線は $y'=\dfrac{1}{x}$ より

 $y$

$=\dfrac{1}{t}(x-t)+\log t$

$=\dfrac{1}{t}x+\log t-1$ $\cdots$ ②

①,②が等しいので

$\begin{cases}e^{s-1}=\dfrac{1}{t} \ \Longleftrightarrow \ t=e^{1-s}\\ (1-s)e^{s-1}-1=\log t-1\end{cases}$

$t$ 消すと

$(1-s)e^{s-1}=1-s$

$\Longleftrightarrow \ (1-s)(e^{s-1}-1)=0$

$\therefore \ s=1$,$t=1$

求める共通接線は

$\boldsymbol{y=x-1}$

※ $s=t=1$ より,それぞれの接点の座標が $(1,0)$ とわかり,実は接点を共有した共通接線だとわかりました.