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平面の方程式と点と平面の距離

ベクトル(入試の標準) ★★★


アイキャッチ

平面の方程式と点と平面の距離公式について解説し,この1ページだけで1通り問題が解けるようにしました.

これらは知らなくても受験を乗り切れますが,難関大受験生は特に必須で,これらを使いこなして問題を解けるとかなり楽になることが多いです.



平面の方程式まとめ

ポイント

平面の方程式まとめ

Ⅰ $z=ax+by+c$ (2変数1次関数)

(メリット:求めやすい.)


Ⅱ $ax+by+cz+d=0$ (一般形)

(メリット:法線ベクトルがすぐわかる( $\overrightarrow{\mathstrut n}=\begin{pmatrix}a \\ b \\ c\end{pmatrix}$).すべての平面を表現可能.点と平面の距離が使える.)


Ⅲ $\dfrac{x}{p}+\dfrac{y}{q}+\dfrac{z}{r}=1$ (切片がわかる形)

(メリット:3つの切片 $(p,0,0)$,$(0,q,0)$,$(0,0,r)$ を通ることがわかる.)


平面の方程式を求める際には,Ⅰの形で置いて求めると求めやすいです( $z$ に依存しない平面だと求めることができないのですが).

求めた後は,Ⅱの一般形にすると法線ベクトルがわかったり点と平面の距離公式が使えたり,選択肢が広がります.

平面の方程式の出し方

基本的に以下の2つの方法があります.

ポイント:3点の座標から出す

平面の方程式(3点の座標から出す)

基本的には,$z=ax+by+c$ とおいて,通る3点の座標を代入して,$a$,$b$,$c$ を出す.

上で求めることができない場合,$z$ は $x$,$y$ の従属変数ではありません.平面 $ax+by+cz+d=0$ などと置いて再度求めます.

※ 切片がわかっている場合は $\dfrac{x}{p}+\dfrac{y}{q}+\dfrac{z}{r}=1$ を使うとオススメです.


3点の座標がわかっている場合は上のようにします.

続いて法線ベクトルと通る点がわかっている場合です.

ポイント:法線ベクトルと通る点から出す

平面の方程式(法線ベクトルと通る点から出す)

平面の方程式(法線ベクトルと通る点から出す)

${\rm A}(x_{1},y_{1},z_{1})$ を通り,$\overrightarrow{\mathstrut n}=\begin{pmatrix}a \\ b \\ c \end{pmatrix}$ に垂直な平面に ${\rm P}(x,y,z)$ があるとする.この平面の方程式は

$\overrightarrow{\mathstrut n} \cdot \overrightarrow{\mathstrut \rm AP}=0$

$\Longleftrightarrow \overrightarrow{\mathstrut n}\cdot(\overrightarrow{\mathstrut p}-\overrightarrow{\mathstrut a})=0$

$\Longleftrightarrow \begin{pmatrix}a \\ b \\ c\end{pmatrix}\cdot\begin{pmatrix}x-x_{1} \\ y-y_{1} \\ z-z_{1}\end{pmatrix}=0$

$\therefore \ \boldsymbol{\color{red}{a(x-x_{1})+b(y-y_{1})+c(z-z_{1})=0}}$


法線ベクトルと通る点がわかっている場合,上の公式で素早く出せるので楽です.

点と平面の距離とその証明

ポイント

点と平面の距離

点と平面の距離

$(x_{1},y_{1},z_{1})$ と平面 $ax+by+cz+d=0$ の距離 $L$ は

$\boldsymbol{L=\dfrac{|ax_{1}+by_{1}+cz_{1}+d|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}+c^{2}}}}$


教科書範囲外ですが,難関大受験生は知っていると便利です.

公式も証明も点と直線の距離と似ています.

証明は下に格納します.

証明

証明

点と平面の距離の証明

$(x_{1},y_{1},z_{1})$ を ${\rm A}$,平面 $ax+by+cz+d=0$ に下ろした垂線の足を ${\rm H}$ とおく.

直線 ${\rm AH}$ は,${\rm A}$$(x_{1},y_{1},z_{1})$ を通り,平面 $ax+by+cz+d=0$ の法線ベクトルである $\begin{pmatrix}a \\ b \\ c \end{pmatrix}$ に平行な直線なので,$t$ を実数として

直線 ${\rm AH}$ $: \begin{cases}{x=x_{1}+at} \\ {y=y_{1}+bt} \\ {z=z_{1}+ct} \end{cases}$ ←媒介変数表示

となるので,${\rm H}$$(x_{1}+ah,y_{1}+bh,z_{1}+ch)$ とおく.


${\rm H}$ は平面 $ax+by+cz+d=0$ 上にもあるので

$a(x_{1}+ah)+b(y_{1}+bh)+c(z_{1}+ch)+d=0$

$\Longleftrightarrow (a^{2}+b^{2}+c^{2})h=-ax_{1}-by_{1}-cz_{1}-d$

$\Longleftrightarrow h=\dfrac{-ax_{1}-by_{1}-cz_{1}-d}{a^{2}+b^{2}+c^{2}}$


求める長さ $d$ は ${\rm A}$$(x_{1},y_{1},z_{1})$ と ${\rm H}$$(x_{1}+ah,y_{1}+bh,z_{1}+ch)$ の2点間の距離より

 $d$

$=\sqrt{(ah)^{2}+(bh)^{2}+(ch)^{2}}$

$=\sqrt{a^{2}+b^{2}+c^{2}}\cdot\sqrt{h^{2}}$

$=\sqrt{a^{2}+b^{2}+c^{2}}\cdot|h|$

$=\sqrt{a^{2}+b^{2}+c^{2}}\cdot\dfrac{|-ax_{1}-by_{1}-cz_{1}-d|}{a^{2}+b^{2}+c^{2}}$

$=\dfrac{|ax_{1}+by_{1}+cz_{1}+d|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}+c^{2}}}$


例題と練習問題

例題

例題

(1) ${\rm A}(1,1,-1)$,${\rm B}(0,2,3)$,${\rm C}(-1,0,4)$ を通る平面の方程式を求めよ.

(2) ${\rm A}(2,-2,3)$,${\rm B}(0,-3,1)$,${\rm C}(-4,-5,2)$ を通る平面の方程式を求めよ.

(3) ${\rm A}(1,0,0)$,${\rm B}(0,-2,0)$,${\rm C}(0,0,3)$ を通る平面の方程式を求めよ.

(4) ${\rm A}(1,-4,2)$ を通り,法線ベクトルが $\overrightarrow{\mathstrut n}=\begin{pmatrix}2 \\ 3 \\ -1 \end{pmatrix}$ である平面の方程式を求めよ.また,この平面と $(1,1,1)$ との距離 $L$ を求めよ.

(5) 空間の4点を,${\rm O}(0,0,0)$,${\rm A}(1,0,0)$,${\rm B}(0,2,0)$,${\rm C}(1,1,1)$ とする.点 ${\rm O}$ から3点 ${\rm A}$,${\rm B}$,${\rm C}$ を含む平面に下ろした垂線を ${\rm OH}$ とすると,$\rm H$ の座標を求めよ.(2018帝京大医学部)


講義

どのタイプの型を使うかは問題に応じて対応します.


解答

(1)

$z=ax+by+c$ に3点代入すると

$\begin{cases}-1=a+b+c \\ 3=2a+3b+c \\ 4=-a+c \end{cases}$

解くと $a=-3,b=1,c=1$

$\boldsymbol{z=-3x+y+1}$


(2) $z=ax+by+c$ に3点代入するとうまくいかないです.

$ax+by+cz+d=0$ に3点代入すると

$\begin{cases}2a-2b+3c+d=0 \\ -3b+c+d=0 \\ -4a-5b+2c+d=0 \end{cases}$

$\begin{cases}2a+b+2c=0 \\ 6a+3b+c=0 \end{cases}$

$\therefore c=0$,$b=-2a$,$d=-6a$

$\therefore ax-2ay-6a=0$

$a\neq 0$ より

$\boldsymbol{x-2y-6=0}$

※ $z=ax+by+c$ に3点代入すると,$\begin{cases}-3=2a-2b+c \\ 1=-3b+c \\ 2=-4a-5b+2c \end{cases}$ となり,方程式が解けない.


(3)

$\dfrac{x}{1}+\dfrac{y}{-2}+\dfrac{z}{3}=1$ ←切片がわかる形

$\therefore \ \boldsymbol{6x-3y+2z-6=0}$


(4)

平面は

$2(x-1)+3(y+4)-(z-2)=0$

$\therefore \ \boldsymbol{2x+3y-z+12=0}$

距離 $L$ は

$L=\dfrac{|2\cdot 1+3\cdot 1-1+12|}{\sqrt{4+9+1}}=\dfrac{16}{\sqrt{14}}=\boldsymbol{\dfrac{8}{7}\sqrt{14}}$


(5)

平面 ${\rm ABC}$ を ${\rm A}$,${\rm B}$ の座標から

$\dfrac{x}{1}+\dfrac{y}{2}+\dfrac{z}{c}=1$ ←切片がわかる形

とおく.これが ${\rm C}(1,1,1)$ を通るので,

$1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{c}=1$

$\therefore \ c=-2$

平面 ${\rm ABC}$ は

$\dfrac{x}{1}+\dfrac{y}{2}-\dfrac{z}{2}=1$

$\Longleftrightarrow 2x+y-z-2=0$

この法線ベクトルが直線 ${\rm OH}$ の方向ベクトルになるので,$t$ を実数として

直線 ${\rm OH}$ $:\begin{cases}x=2t \\ y=t \\ z=-t \end{cases}$

と表せる.これと平面 ${\rm ABC}$ を連立すると

$4t+t+t-2=0$

$\therefore t=\dfrac{1}{3}$

直線 ${\rm OH}$ に戻すと,$\rm H$$\boldsymbol{\left(\dfrac{2}{3},\dfrac{1}{3},-\dfrac{1}{3}\right)}$

練習問題

練習

(1) 4点 ${\rm A}(1,2,7)$,${\rm B}(3,0,1)$,${\rm C}(-1,1,1)$,${\rm D}(4,\alpha,1)$ が同一平面上にあるように $\alpha$ の値を定めよ.また,この平面と原点との距離 $L$ を求めよ.

(2) $p$ を負の実数とする.座標空間に原点 ${\rm O}$ と,3点 ${\rm A}(-1,2,0)$,${\rm B}(2,-2,1)$,${\rm P}(p,-1,2)$ があり,3点${\rm O}$,${\rm A}$,${\rm B}$ が定める平面を $\alpha$ とする.点 ${\rm P}$ から平面 $\alpha$ に垂線を下ろし,$\alpha$ との交点を ${\rm Q}$ とすると,$\rm Q$ の座標を $p$ を用いて表せ.

練習の解答

(1)

$z=ax+by+c$ に最初の3点代入すると

$\begin{cases}7=a+2b+c \\ 1=3a+c \\ 1=-a+b+c \end{cases}$

解くと $a=1,b=4,c=-2$

$\therefore \ z=x+4y-2$

これに $(4,\alpha,1)$ 代入すると

$1=4+4\alpha -2$

$\therefore \ \boldsymbol{\alpha=-\dfrac{1}{4}}$

$z=x+4y-2 \Longleftrightarrow x+4y-z-2=0$ と原点との距離 $L$ は

$L=\dfrac{|1\cdot 0+4\cdot 0-0-2|}{\sqrt{1+16+1}}=\boldsymbol{\dfrac{1}{\sqrt{3}}}$

※ 当然 $\overrightarrow{\mathstrut \rm AD}=s\overrightarrow{\mathstrut \rm AB}+t\overrightarrow{\mathstrut \rm AC}$ などとして成分比較で解いてもOKです←共面条件


(2) 出典:2019北海道大理系

$\alpha:z=ax+by$ ←原点通るので $c=0$

とおく.これが ${\rm A}(-1,2,0)$,${\rm B}(2,-2,1)$ を通るので,

$\begin{cases}0=-a+2b \\ 1=2a-2b \end{cases}$

解くと $a=1,b=\dfrac{1}{2}$

$\therefore \ \alpha$ : $z=x+\dfrac{1}{2}y$

$\Longleftrightarrow 2x+y-2z=0$

この法線ベクトルが直線 ${\rm PQ}$ の方向ベクトルになるので,$t$ を実数として

直線 ${\rm PQ}$ $:\begin{cases}x=p+2t \\ y=-1+t \\ z=2-2t \end{cases}$

と表せる.これと $\alpha$ を連立すると

$2p+4t-1+t-4+4t=0$

$\therefore t=\dfrac{5}{9}-\dfrac{2}{9}p$

直線 ${\rm PQ}$ に戻すと

$\rm Q$$\boldsymbol{\left(\dfrac{5}{9}p+\dfrac{10}{9},-\dfrac{2}{9}p-\dfrac{4}{9},\dfrac{4}{9}p+\dfrac{8}{9}\right)}$