慶應義塾大理工学部
過去問のデータと特徴
特徴:早稲田理工と比較して答えのみの形式が多いです.そのため難易度は同程度でも計算量等の全体の分量が多めで,うまく誘導の意図を汲み取り,迅速に計算することが必要だと思います.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢC
頻出分野:確率,数列,微積分
試験時間:120分
形式:答えのみ&記述式
過去問の解答とコメント
2024年
特筆すべきテーマ:一般項が求めにくい漸化式の極限.平均値の定理.三角形の面積.曲線の長さ.
コメント:昨年よりは解きやすいですが,分量は相変わらず多めです.大問は1,2,4が解きやすいですが,1では一般項が求めにくい漸化式の極限の経験有無が合否を分けそうな気がしてます.
2023年
特筆すべきテーマ:微分係数の定義.微分可能の定義.平均値の定理.点と平面の距離.複素数の表す図形.
コメント:記憶してる限りの本学最高難度と思います.第1問のみ解きやすいですが微分係数の定義等を軽視した人は得点できず全滅に近い受験生もいたのではないでしょうか.他に第2問前半,第4問は比較的取り組みやすいですが,昨年比でかなり難化し,明らかに時間が足りない試験でしょう.
2022年
特筆すべきテーマ:円と楕円が共有点をもつ条件.円と楕円で囲まれた領域の $y$ 軸回転.バウムクーヘン積分.
コメント:全体的に易化した様子です.典型的な問題が多く,比較的高得点勝負だったのではと思います.第1問(2),第2問の $y$ 軸回転の問題は個人的に良問と思いました.また,第5問は本学としては簡単すぎですが,高1などで三角比と立体図形の素養を問う総合問題として多くの予備校で演習として扱われそうです.
2021年
特筆すべきテーマ:定点を通る直線.整式の割り算と余り.等差×等比の和.軌跡.
コメント:個人的には,去年より全体として深い思考力を要する問題が増えた印象です.よく考えられて作られていると思います.第1,4,5問は比較的まだ解きやすい印象で,ここで高得点が欲しいです.
2020年
特筆すべきテーマ:$x=\alpha$ が $P(x)$ の2重解ならば,$x=\alpha$ は $P'(x)=0$ の解である.
コメント:慶應理工としては奇問がほとんど無く比較的解きやすいですが,やや分量は多い印象です.第3問の確率は教材として扱いたいなと思いました.
2019年
特筆すべきテーマ:特になし
コメント:典型問題または典型問題より気持ち少し難しい程の,慶應理工としては穏やかな出題だったと思います.特に思い当たるコメントがないです.最後の回転体はパップスギュルダンの定理を使う準備もしましたが,特に必要ありませんでした.
2018年
特筆すべきテーマ:相反方程式.$1$ の $3$ 乗根.ウォリス積分.極方程式の面積(扇形積分).
2017年
特筆すべきテーマ:逆関数の2回微分,積分の不等式による評価と区分求積,最大値の確率,3次関数のブロック分割(4等分割),1/12公式(3次関数)