早稲田大理工
過去問のデータと特徴
特徴:2007年に3つに分裂したのですが,数学の問題は共通ですし,1学部しか受験できません.昔からある程度年によって難と易の変動があるので,難の年は食らいつくような姿勢で向かわないとなかなか得点できません.数学Ⅲの比率が高く,2005年以前の旧旧課程でも複素数平面は頻出でしたので,微積分とともに重点的に対策が必要でしょう.
2020年,面積が発散するという出題ミスをやらかし,受験生,業界関係者騒然.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢC
頻出分野:数列,複素数平面,微積分
試験時間:120分
形式:記述式
過去問
早稲田大学サイト入試の過去問題ページに全学部の直近3年分の問題と解答用紙が掲載されています(解答はなし).
過去問の解答とコメント
2023年
特筆すべきテーマ:ポリヤの壺.逆関数の性質.線分の回転体の体積.
コメント:高難度だった慶應理工と違い,全体的には解きやすいが差がつきやすいセットだと思います.
2022年
特筆すべきテーマ:折り返す回転体の体積.一般項が求めにくい漸化式の極限.内接球.
コメント:少し難化したように感じます.第1問は膨大な量の積分計算が待ち構え,解きやすいのは第2問ぐらいです.第3問は一般項が求めにくい漸化式の極限の解法が頭にあれば,$1< a_{n} <2$ さえ言えれば答案はなんとか書けるでしょうか.第4問はなかなか見ない問題で,全体としては解ける問題を死守する流れになりそうです.
2021年
特筆すべきテーマ:2直線のなす角.整式の割り算.軌跡.1/6公式.正四面体と球が交わる問題.
コメント:昨年の問題作による影響に懲りたのか,どの問題も控えめかつ計算量が必要な問題が少ないです.全体的に典型的ですが,ⅡとⅤが解きにくいでしょうか.Ⅲは複素数を $2$ 乗した領域の話で,多くの知識が確認できるという点では良問ではないしょうか.
2020年
特筆すべきテーマ:外心と重心が一致する三角形は正三角形.水の問題.等差×等比の和.幾何分布の期待値.
コメント:いい問題と思ったのはⅠの複素数平面の問題ぐらいで,早稲田理工としては浅い問題が多いです.Ⅳは統計学で幾何分布と呼ばれる期待値を求めることがテーマになっています.Ⅴは歴史に残る問題作です.
2019年
特筆すべきテーマ:球に内接する四面体.カージオイドの長さ
コメント:今年も比較的解きやすい年で,かつてのような高い論証力,腕力を要する問題が見当たりません.典型的な問題が多く,演習問題としても解きやすいと思います.
2018年
特筆すべきテーマ:1/12公式(2次関数).無理数であることの証明.
2017年
特筆すべきテーマ:複素数の存在領域
2016年
特筆すべきテーマ:隣接四項間漸化式,接線が引ける条件,円錐の一部の回転体