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微分可能であるとは

タイプ:教科書範囲 レベル:★★ 


アイキャッチ

数Ⅲの微分最初は,関数の微分可能性について扱います.

微分可能の定義を確認し,関数の連続との関係についても言及し,微分不可能の例を挙げます.

微分の導入の復習をしたい場合,微分とは何かをご覧ください.





微分可能の定義と性質

ポイント

関数の連続の定義

関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとは,極限値

$\boldsymbol{\displaystyle f'(a)=\lim_{h \to 0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}=\lim_{x \to a}\dfrac{f(x)-f(a)}{x-a}}$

をもつことである.

すなわち

$\boldsymbol{\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}=\lim_{h \to -0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}}$

が必要で,それぞれ当サイトでは右側微分係数,左側微分係数と呼ぶことにします.

※ 右(左)微分係数,右方(左方)微分係数など読み方が様々です.本質的には右側極限,左側極限です.

※ 極限値は有限確定すること,つまり微分可能には右側微分係数,左側微分係数の収束が必要です.


つまり, $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であることを言うには,右側微分係数と左側微分係数が有限確定で一致することを示せばOKです.

続いて,微分可能の性質です.



ポイント

微分可能と連続

微分可能と連続

関数 $\boldsymbol{f(x)}$ が $\boldsymbol{x=a}$ で微分可能 $\boldsymbol{\Longrightarrow}$ $\boldsymbol{x=a}$ で連続


微分可能を定義した際に導かれる定理で,証明ができます.この事実から,この命題の対偶である

連続でないならば微分可能でない

ことが直ちに言えます.

証明は下に格納しました.



上の証明

証明




微分不可能な例

微分不可能な点をもつ関数の例を挙げます.


そもそも連続でない

$f(x)=\dfrac{x^{2}+3x+2}{x+1}$ は $x=-1$ では微分不可能.

微分不可能な関数の例1

その点で連続でないと微分できません.


折れ線関数の折れた点

$f(x)=|x-1|+1$ は $x=1$ では微分不可能.

微分不可能な関数の例2

右側微分係数は

 $\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{f(1+h)-f(1)}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{|1+h-1|+1-1}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{h}{h}=1$

左側微分係数は

 $\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{f(1+h)-f(1)}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{|1+h-1|+1-1}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{-h}{h}=-1$

より,両者が一致しないので微分不可能.接線も確定しませんよね.


滑らかでも垂直接線が引ける点

$f(x)=\begin{cases}\sqrt{x} \hspace{9mm} (x\geqq 0) \\ -\sqrt{-x} \ \ (x<0)\end{cases}$ は $x=0$ では微分不可能.

微分不可能な関数の例3

どこでも連続ですが

右側微分係数は

 $\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{f(0+h)-f(0)}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{\sqrt{h}-0}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{1}{\sqrt{h}}=\infty$

左側微分係数は

 $\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{f(0+h)-f(0)}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{-\sqrt{-h}-0}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{1}{\sqrt{-h}}=\infty$

より,両者が一致しても有限確定しないと微分不可能.ただしこの場合接線は $x=0$ です.







例題と練習問題

例題

例題

関数 $f(x)=x^{2}|x-1|$ は $x=1$ で連続であるか,微分可能であるかについてそれぞれ調べよ.


講義

連続の定義微分可能の定義を満たすか確認します.連続でないことが言えれば微分可能でないので,連続から確認します.


解答

$\displaystyle \lim_{x \to 1+0}f(x)=\lim_{x \to 1-0}f(x)=0$ より,$\boldsymbol{x=1}$ で連続

右側微分係数は

 $\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{f(1+h)-f(1)}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to +0}\dfrac{(1+h)^{2}h-0}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to +0}(1+h)^{2}=1$

左側微分係数は

 $\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{f(1+h)-f(1)}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to -0}\dfrac{(1+h)^{2}(-h)-0}{h}$

$=\displaystyle \lim_{h \to -0}\{-(1+h)^{2}\}=-1$

両者が等しくないので $\boldsymbol{x=1}$ で微分可能でない

※ グラフは以下のようになります.要はとんがっていると微分できません.ちなみに $x=1$ 以外では微分できるので,是非ご確認ください.

例題の図


練習問題

練習

$n$ を $0$ 以上の整数とする.関数

$f(x)=\begin{cases}x^{n}\sin\dfrac{1}{x} \ \ (x\neq 0) \\ \hspace{0mm} \\ 0 \ \hspace{14mm} (x=0) \end{cases}$

が $x=0$ で連続であるか,微分可能であるかについてそれぞれ調べよ.

練習の解答



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