順天堂大医学部
過去問のデータと特徴
特徴:試験時間70分に対してふさわしいボリュームとレベルとはとても言いがたく(特に2019,2016,2015年),医学部の中でも高得点を取るのが困難です.捨て問を見破った上でしっかり捨て,典型問題を素早く正確に解き,できれば今までの数学の知識で計算せずとも答えが出せる問題があれば勝機が見えてきます.大問3でははっきりと定義,定理を問う問題が長年続き,最近でも数学の背景知識をもつ問題の出題が目立ちます.微積では微小区間の問題,図形は三平方の定理を連発する空間図形,そして正五角形が大好きなようです.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢ
頻出分野:平面図形,空間図形の問題,微積分
試験時間:70分
形式:マーク式&記述式
過去問の解答とコメント
2022年
コメント:ボリュームが減り,70分の試験としては以前より適正となりました.レベルも高難度すぎる問題はなく,解ける問題を迅速に解いていけばいいと思います.
2021年
特筆すべきテーマ:2変数の最大最小.正五角形と18°シリーズの三角比
コメント:コロナ禍による現役生配慮か,数学Ⅲの微積が出題されない回でした.例年より解きやすいですが,順天らしい正五角形の問題が登場.相変わらず時間に余裕はないですが,第3問もできるだけ解答したいところ.
2020年
特筆すべきテーマ:等脚四面体.エピサイクロイド.極方程式の面積(扇形積分).曲線の長さ.円錐の側面積.球の表面積.トーラスの体積.パップスギュルダンの定理.接線の引くことができる本数.
コメント:昨年よりは取りかかりやすい問題が多く分量がやや減りましたが,それでも多いです.3辺が等しい四面体や,エピサイクロイドの面積,曲線の長さ,パップスギュルダンの定理など,数学の経験が豊富な人にはそうでない人に差を付けやすい内容だったと思います.
2019年
特筆すべきテーマ:.逆数型の漸化式.合成関数.互除法の原理の証明.1次不定方程式の特殊解の存在証明.
コメント:昨年の反動か異常にボリュームが多いです.見た瞬間に答えを埋める等のことをしないと周りを出し抜けないと思います.大問3で整数のユークリッドの互除法関連の証明問題が出題されたのが最大の特徴でした.
2018年
特筆すべきテーマ:トレミーの定理.合同式.曲線の長さ.外心の性質の証明.外心と重心が一致する条件.
コメント:例年になくこの年は穏やかです.第2問では思考力が必要で,比較的難しいですが,他は本学としては解きやすいです.テーマにあるトレミーの定理は知らなくても大丈夫.第3問は,外心の中線を $2:1$ に内分する性質の証明をすべきで,やはり公式の証明を日頃から意識している人が有利でした.
2017年
特筆すべきテーマ:定数ずらす隣接3項間漸化式.斜軸回転.イェンセンの不等式
2016年
特筆すべきテーマ:立体の色分け.微小区間の問題.正五角形と18°シリーズの三角比.三角不等式
2015年
特筆すべきテーマ:線分の通過領域.15°シリーズの三角比.3次関数の性質
2014年
特筆すべきテーマ:近似式.内心の定義
2013年
特筆すべきテーマ:連分数.正五角形と18°シリーズの三角比.微小区間の問題,