東京慈恵会医科大医学部
過去問のデータと特徴
特徴:2013年から大問が4問になって以降は大問1問の計算量が軽減されましたが,高度な問題を素早く解く(答案にまとめる)スピードが必要です.要求される思考力と腕力のレベルは日本医科大と近いので,どちらかの大学を受ける場合はもう片方の大学も演習しておくといいと思います.他の大学と同様,大問で微積分がほぼ必ず出ますので,しっかりと仕上げておく必要があるでしょう.ベクトルも(特に空間が)よく出ています.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢ
頻出分野:確率,整数,ベクトル,微積分
試験時間:90分
形式:答えのみ&記述式
過去問の解答とコメント
2022年
特筆すべきテーマ:微分可能の定義.二項定理.複素関数による軌跡.
コメント:第1問の確率,第2問の微積が解きやすいのでここで満点が欲しいところです.後は第4問の(1)も.
2021年
特筆すべきテーマ:はさみうちによる極限評価.
コメント:コロナ禍配慮がほとんど無く,いつも通りの慈恵の問題といった感じです(回転体は簡単ですが).第2問では $\displaystyle \int_{1}^{a}e^{x^2}\,dx$ を自力で評価して極限を出す力が問われます.第3問,第4問ともに,仮に言っていることがわかったとしても,答案にうまくまとめるのは難しいなと感じました.
2020年
特筆すべきテーマ:無限級数の面積による評価.区分求積(応用編).
コメント:全体的に計算力ではなく,思考力が要求される印象.第1問は慈恵らしい,程よい難易度の確率.第2問は,無限級数で表された関数を,面積によって評価する良問だと思います.第3問は答案の書き方が悩みますが,解きやすいはず.第4問も同様に,人によって解法が様々に分かれそうで,答案作成力が問われそうです.
2019年
特筆すべきテーマ:格子点の線型計画法.複素数の反転
コメント:難易度はいつも通りの印象で,取れる点が格子点という普通の線型計画法ではない問題や,初めて見る人も多そうな複素数の反転の問題が出題されました.
2018年
特筆すべきテーマ:置き換えをして求める2次形式の範囲.対数型の漸化式.(相加平均)≧(相乗平均)で早く出す最大値.
2017年
特筆すべきテーマ:解きにくい三角比の問題.正三角形をなす複素数.
2016年
特筆すべきテーマ:回転する点の媒介変数表示.無限級数の面積による評価.
2015年
特筆すべきテーマ:等脚四面体.双曲線で囲まれた格子点.平面の方程式.
2014年
特筆すべきテーマ:$\sin x+\cos x=t$ と置き換える問題.2次不等式が0以下になる条件.領域における最大最小(応用編).2つの線分の内分点の位置ベクトル.四面体の回転体の体積.
2013年
特筆すべきテーマ:ベクトルの終点の存在範囲.螺旋状の立体と球の共通範囲の体積