聖マリアンナ医科大医学部
過去問のデータと特徴
特徴:私立医学部の中では,難易度も時間も標準的です.しかし真新しい問題が出題されることがあるので,見たことがないような問題に立ち向かう総合力が必要です.2017年はそれが顕著で,オイラーの多面体定理,箱ひげ図,代数的構造の問題など,他の医学部が出さないような問題を出題してきましたので,過去問でヤマを張るのはあまり意味をなさず,経験豊かな数学力が必要とされそうです.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢC
頻出分野:データの分析,場合の数・確率,整数,ベクトル,微積分
試験時間:2021年は英語と数学合わせて150分(今までは数学のみで90分)
形式:答えのみ&記述式
過去問の解答とコメント
2021年
特筆すべきテーマ:約数の個数
コメント:コロナ配慮で英語と数学で150分という出題でした.穏やかになったのは第1問ぐらいで,残りは量もレベルも例年と変わらないように思います.相変わらずデータの分析と整数がお好きなようです.
2020年
特筆すべきテーマ:約数の個数と総和.平面の方程式.3次元の直線.1/6公式.18°シリーズの三角比.一般項が求めにくい漸化式の極限.合同式.
コメント:全体的に典型的な出題が多く見られますが,最後の整数は聖マらしいです.所々厄介な計算が出てくるのも聖マらしいです.
2019年
特筆すべきテーマ:偏差平方和と絶対偏差の和の最小.点Pの位置探し(平面ベクトル).直線に関する対称な点.シグマ公式の証明.すべての仮定が必要な数学的帰納法.
コメント:今年も聖マらしく,数学的背景を持った問題や,第4問でシグマ公式の証明に関する問題を出題したりと,他の私立医学部とは少し毛色が異なる問題でした.データの分析の問題は,知っていればすぐ答えられる問題ですが,受験生でどれだけ確信を持って解答できる人がいるでしょうか.第4問は,教科書の公式の証明を重視してきた受験生には難問ではなかったはずです.
2018年
特筆すべきテーマ:変数変換(標準化)したときの平均と分散.1次不定方程式の整数解をもつ条件.
2017年
特筆すべきテーマ:正多面体が5種類であることの証明.オイラーの多面体定理.箱ひげ図や散布図から読み取るセンター試験のような問題.加法性と乗法性を満たす関数.
2016年
特筆すべきテーマ:三角比(関数)の計算問題.絶対値付き関数の定積分.