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無限級数

タイプ:教科書範囲 レベル:★★★ 


アイキャッチ

無限級数について,定義から重要な性質まで解説します.

この1ページのみで無限級数に対応できるよう,例題と練習問題で1通りの問題を扱います.





無限級数と無限等比級数の求め方

ポイント

無限級数の定義と求め方

無限数列 $\{a_{n}\}$ において,

$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}a_{n}=a_{1}+a_{2}+\cdots+a_{n}+\cdots$

で得られる式を無限級数という.

上の無限級数において,初項から第 $n$ 項までの和

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n}a_{k}=a_{1}+a_{2}+\cdots+a_{n}$

を(第 $n$ )部分和という.

無限級数は以下のように

$\displaystyle \color{red}{\sum_{n=1}^{\infty}a_{n}=\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n}a_{k}}$

部分和の極限で求める.


無限級数とは,数列の無限個の和です.しかし実際に無限個を足すことはできないので,部分和の極限で求めます.

続いて,無限数列が等比数列である特殊ケースを考えます.



ポイント

無限等比級数

無限数列 $\{a_{n}\}$ が無限等比数列から作られる無限級数を無限等比級数という.

数列 $\{ar^{n-1}\}$ $(r\neq 1)$ から作られる無限等比級数

$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}ar^{n-1}=a+ar+ar^{2}+\cdots+ar^{n-1}+\cdots$

の極限は,等比数列の和の極限を考えればいいので

$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}ar^{n-1}=\lim_{n \to \infty}\dfrac{a-ar^{n}}{1-r}$

より

$a\neq 0$ かつ $|r|<1$ のとき $\color{red}{\dfrac{a}{1-r} \ \left(\dfrac{初項}{1-公比}\right)}$

$a\neq 0$ かつ $|r|\geqq 1$ のとき 発散

$a=0$ のとき $0$

以上より,無限等比級数の収束条件は

$a=0$ または $|r|<1$


ちなみに $r=1$ ならばそれは定数列になり,同じ値を無限個足すので,当然 $\infty$ に発散します.




項の極限と無限級数の収束・発散

ポイント

項の極限と無限級数の収束・発散

以下の命題が真である.

無限級数 $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}a_{n}$ が収束する $\Longrightarrow$ $\displaystyle \lim_{n \to \infty}a_{n}=0$

これの対偶

数列 $\{a_{n}\}$ が $0$ に収束しない $\Longrightarrow$ 無限級数 $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}a_{n}$ は発散する

も当然真である.

また,最初の命題の逆である

$\displaystyle \lim_{n \to \infty}a_{n}=0$ $\Longrightarrow$ 無限級数 $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}a_{n}$ が収束する

である(反例は $a_{n}=\dfrac{1}{n}$,$a_{n}=\dfrac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}$ など)ので注意.


無限級数が収束するためには,そもそも $a_{n}$ が収束することが必要という,わかりやすい命題です.下のボタン内部に,一番最初の命題の証明を格納します.



上の最初の命題の証明

証明




例題と練習問題

例題

例題

次の無限級数の収束,発散を調べ,収束するものはその和を求めよ.

(1) $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{(2n+1)(2n+3)}$

(2) $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\left(\dfrac{1}{3^{n-1}}-\dfrac{1}{4^{n}}\right)$

(3) $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{n}{2n+1}$

(4) $1-1+\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}-\dfrac{1}{4}+\cdots$


講義

(1)は部分分数分解による和で部分和を出します.(2)は無限等比級数.部分和の極限をとるという手続きを省いて公式を使うと楽です.(3)は項が $0$ に収束しません.

(4)は,部分和を求めようにも奇数列と偶数列が違うので,$S_{2m-1}$ と $S_{2m}$ を別で計算し

$\displaystyle \lim_{m \to \infty}S_{2m-1}=\lim_{m \to \infty}S_{2m}=S$ のとき $\{S_{n}\}$ は $S$ に収束

$\displaystyle \lim_{m \to \infty}S_{2m-1}\neq \lim_{m \to \infty}S_{2m}$ のとき $\{S_{n}\}$ は発散

に従います.


解答

(1)

 $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{(2n+1)(2n+3)}$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{2k+1}-\dfrac{1}{2k+3}\right)$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{2}\sum_{k=1}^{n}\left(\dfrac{1}{2k+1}-\dfrac{1}{2k+3}\right)$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{2}\left\{\left(\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{5}\right)+\left(\dfrac{1}{5}-\dfrac{1}{7}\right)+\cdots+\left(\dfrac{1}{2n+1}-\dfrac{1}{2n+3}\right)\right\}$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{2n+3}\right)$ ←部分和の極限をとる

$=\boldsymbol{\dfrac{1}{6}}$


(2)

 $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\left(\dfrac{1}{3^{n-1}}-\dfrac{1}{4^{n}}\right)$

$=\dfrac{1}{1-\dfrac{1}{3}}-\dfrac{\dfrac{1}{4}}{1-\dfrac{1}{4}}$ ←$\dfrac{初項}{1-公比}$

$\displaystyle =\dfrac{3}{2}-\dfrac{1}{3}=\boldsymbol{\dfrac{7}{6}}$


(3)

$\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{n}{2n+1}=\dfrac{1}{2}\neq 0$

より $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{n}{2n+1}$ は発散


(4) 第 $n$ 部分和を $S_{n}$ とおくと

$S_{2m-1}=1-1+\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{3}+\cdots+\dfrac{1}{m}=\dfrac{1}{m}$

$S_{2m}=1-1+\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{3}+\cdots+\dfrac{1}{m}-\dfrac{1}{m}=0$

$\displaystyle \lim_{m \to \infty}S_{2m-1}=\lim_{m \to \infty}S_{2m}=0$ より収束.求める答えは $\boldsymbol{0}$



練習問題

練習1

次の無限級数の収束,発散を調べ,収束するものはその和を求めよ.

(1) $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{n(n+2)(n+3)}$

(2) $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{2^{n}}\cos\dfrac{n\pi}{2}$

(3) $3-2+2-\dfrac{5}{3}+\dfrac{5}{3}+\cdots-\dfrac{n+3}{n+1}+\dfrac{n+3}{n+1}-\dfrac{n+4}{n+2}+\cdots$


練習2

次の無限等比級数が収束するような実数 $x$ の値の範囲とそのときの和を求めよ.

$x+x(x-2)+x(x-2)^{2}+\cdots$


練習3

辺の長さが1の正三角形 $\rm{ABC}$ に対して,円 $S_{1}$,$S_{2}$,$S_{3}$,$\cdots$ を次のように定める.

(A) $\triangle \rm{ABC}$ に内接する円を $S_{1}$ とする.

(B) 線分 $\rm{AB}$,線分 $\rm{AC}$ と円 $S_{1}$ に接する円を $S_{2}$ とする.

(C) 線分 $\rm{AB}$,線分 $\rm{AC}$ と円 $S_{2}$ に接する円で $S_{1}$ 以外のものを $S_{3}$ とする.

(D) 線分 $\rm{AB}$,線分 $\rm{AC}$ と円 $S_{3}$ に接する円で $S_{2}$ 以外のものを $S_{4}$ とする.

(E) 以下同様に円 $S_{5}$,$S_{6}$,$\cdots$ を定める.

円 $S_{n}$ $(n=1,2,3,\cdots)$ の面積を $m_{n}$ とするとき,級数 $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}m_{n}$ の和を求めよ.

練習の解答



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