慶應義塾大医学部
過去問のデータと特徴
特徴:私立大学の問題としては最高峰の難易度で,超トップ層を選別するための高難度の問題が出題され,分量の多さが目立ちます.周りと差をつけるためには,多少マニアックな話題の経験も積み,答えのみの形式であることを活かし短時間で解答する知識も必要だと思います.
平面の方程式関連と確率漸化式の経験は多く積んでおくといいと思います.微積では曲線の長さを問う問題も頻出です.
範囲:数学ⅠAⅡBⅢ
頻出分野:場合の数・確率,数列,微積分
試験時間:100分
形式:答えのみ&記述
過去問の解答とコメント
2021年
特筆すべきテーマ:2次方程式の解の配置問題.共分散のもう1つの出し方.双曲線関数.
コメント:高難度というよりも,尋常でない計算量のオンパレードです.答えのみの形式が多いので迅速に解ける問題を解いていくことになると思います.第2問のデータの分析の出題が目立ちますが,共分散を $s_{xy}=\overline{xy}-\overline{x}\cdot\overline{y}$ で出せるのは本学受験者なら常識でしょう(下の解答では一応導出しました).
2020年
特筆すべきテーマ:平面の方程式.2つの平面のなす角.バーゼル問題(バーゼル級数).曲線の長さ.
コメント:変わらず分量は多いですが解きやすい問題でした.第2問の確率まで典型的な問題が続きます.第3問はバーゼル問題で有名なので,最終結果が $\dfrac{\pi^{2}}{6}$ に収束することを知っている人が慶應医受験者ならば多そうで,ここで差がつきそうです.
第3問まで教材にしたいぐらい良問が多かったように思います.
2019年
特筆すべきテーマ:くじの当たる確率の公平性.平面の方程式.連立漸化式.確率漸化式.カージオイド.曲線の長さ.楕円の定義.
コメント:典型的なのは第2問までで,第3問,第4問は尋常でない量の計算量をこなす必要があります.とにかく計算が大変で,概念が高難度な問題はあまり見られなかったように思います.第4問は $d$ あたりから計算が大変なので捨てるといいと思います.
2018年
特筆すべきテーマ:同じものを含む円順列.連立漸化式.確率漸化式.和積(積和)変換公式.サイクロイド.曲線の長さ.サイクロイドの回転.媒介変数表示による曲線の面積
コメント:設問の量など分量は多いですが、全体としては典型的な出題が多いです.唯一第1問の同じものを含む円順列が難しいので,$N_{1}$ だけ出して後は捨てて次に行くべきだと思います.第2問以降は特に奇問はなく,ハイレベル層向けの演習問題としてはよくあるテーマでかつ良問だと思います.