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2次曲線の接線の方程式

2次曲線(入試の標準) ★★★


アイキャッチ

ここでは,楕円双曲線の接線の方程式の紹介と証明を扱います.

放物線の接線は微分による方法でその都度導くのがオススメで,導出方法についてはこのページでは言及しません.



楕円と双曲線の接線の方程式

ポイント

楕円の接線の方程式

楕円の接線の方程式

楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ 上の点 $(x_{1},y_{1})$ での接線の方程式は

$\boldsymbol{\dfrac{x_{1}x}{a^2}+\dfrac{y_{1}y}{b^2}=1}$


大学受験で数学Ⅲを使う場合は暗記を推奨します.もっとも円の接線の方程式の一般化なので覚えやすいと思います.

続いて,双曲線の接線です.

ポイント

双曲線の接線の方程式

双曲線の接線の方程式その1

双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$ 上の点 $(x_{1},y_{1})$ での接線の方程式は

$\boldsymbol{\dfrac{x_{1}x}{a^2}-\dfrac{y_{1}y}{b^2}=1}$

双曲線の接線の方程式その2

同様に双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$ 上の点 $(x_{1},y_{1})$ での接線の方程式は

$\boldsymbol{\dfrac{x_{1}x}{a^2}-\dfrac{y_{1}y}{b^2}=-1}$


こちらも覚えやすい公式です.

楕円の接線の方程式の証明

楕円も双曲線も証明の方法が同様なので,以下では楕円の接線のみ記載することにします.

ポイント

楕円の接線の方程式の証明方法

Ⅰ 接点を通る直線を設定し,円と連立して接点で重解になることから導く方法

(数学Ⅲの)微分を使う方法


順に示しますが,Ⅱはボタン内部に格納します.

Ⅰ 傾きを求める標準的な方法での証明

Ⅰでの証明

(ⅰ) 接点が $x$ 軸上にないとき

接線を

$y=m(x-x_{1})+y_{1}$

とおく.楕円に代入すると

$\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{\{m(x-x_{1})+y_{1}\}^2}{b^2}=1$

$\Longleftrightarrow \ b^{2}x^2+a^{2}\{m(x-x_{1})+y_{1}\}^{2}=a^{2}b^{2}$

$\Longleftrightarrow \ b^{2}x^2+a^{2}(mx+y_{1}-mx_{1})^{2}=a^{2}b^{2}$

$\Longleftrightarrow \ (a^{2}m^{2}+b^{2})x^2+2a^{2}m(y_{1}-mx_{1})x+a^{2}(y_{1}-mx_{1})^{2}-a^{2}b^{2}=0$

この $2$ 次方程式は $x=x_{1}$ で重解なので

$x_{1}=\dfrac{a^{2}m(mx_{1}-y_{1})}{a^{2}m^{2}+b^{2}}$

これを $m$ について解くと,$y_{1}\neq 0$ より

$m=-\dfrac{b^{2}x_{1}}{a^{2}y_{1}}$

戻すと

$y=-\dfrac{b^{2}x_{1}}{a^{2}y_{1}}(x-x_{1})+y_{1}$

$\Longleftrightarrow \ b^{2}x_{1}x+a^{2}y_{1}y=b^{2}x_{1}^{2}+a^{2}y_{1}^{2}$

$\therefore \ \dfrac{x_{1}x}{a^2}+\dfrac{y_{1}y}{b^2}=\dfrac{x_{1}^2}{a^2}+\dfrac{y_{1}^2}{b^2}=1 \ \cdots$ ①

(ⅱ) 接点が $x$ 軸上にあるとき

接線は

$x=\pm a$

であるが,①で接点を $(\pm a,0)$ とするとこれも満たす.

以上より

$\boldsymbol{\dfrac{x_{1}x}{a^2}+\dfrac{y_{1}y}{b^2}=1}$

Ⅱ (数学Ⅲの)微分を使う方法

(数学Ⅲの)微分を使う方法が圧倒的に楽です.下に格納しました.

Ⅱでの証明

(ⅰ) 接点が $x$ 軸上にないとき

$\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ を両辺 $x$ で微分すると

$\dfrac{2x}{a^2}+\dfrac{2y}{b^2}\dfrac{dy}{dx}=0$

$y\neq 0$ より

$\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{b^{2}x}{a^{2}y}$

$(x_{1},y_{1})$ での接線の方程式は

$y=-\dfrac{b^{2}x_{1}}{a^{2}y_{1}}(x-x_{1})+y_{1}$

$\Longleftrightarrow \ b^{2}x_{1}x+a^{2}y_{1}y=b^{2}x_{1}^{2}+a^{2}y_{1}^{2}$

$\therefore \ \dfrac{x_{1}x}{a^2}+\dfrac{y_{1}y}{b^2}=\dfrac{x_{1}^2}{a^2}+\dfrac{y_{1}^2}{b^2}=1 \ \cdots$ ①

(ⅱ) 接点が $x$ 軸上にあるとき

接線は

$x=\pm a$

であるが,①で接点を $(\pm a,0)$ とするとこれも満たす.

以上より

$\boldsymbol{\dfrac{x_{1}x}{a^2}+\dfrac{y_{1}y}{b^2}=1}$

例題と練習問題

例題

例題

楕円 $\dfrac{x^2}{16}+\dfrac{y^2}{12}=1$ に関して

(1) 楕円上の点 $(2\sqrt{3},\sqrt{3})$ での接線の方程式を求めよ.

(2) 点 $(4,6)$ から引いた接線の方程式を求めよ.


講義

(1)は公式を使うだけです.(2)は円外の点から引いた接線の楕円版です.接点を文字でおく方法がおすすめです.


解答

(1)

例題(1)

点 $(2\sqrt{3},\sqrt{3})$ での接線は

$\dfrac{2\sqrt{3}x}{16}+\dfrac{\sqrt{3}y}{12}=1$

$\therefore \ \boldsymbol{3\sqrt{3}x+2\sqrt{3}y=24}$


(2)

例題(2)

接点を $(x_{1},y_{1})$ とおくと接線は $\dfrac{x_{1}x}{16}+\dfrac{y_{1}y}{12}=1$ であり,$(4,6)$ を通るので

$\dfrac{x_{1}}{4}+\dfrac{y_{1}}{2}=1$

$\Longleftrightarrow \ x_{1}=4-2y_{1} \ \cdots$ ①

また,$(x_{1},y_{1})$ は楕円上にあるので

$\dfrac{x_{1}^2}{16}+\dfrac{y_{1}^2}{12}=1 \ \cdots$ ②

①,②を連立すると

$\dfrac{(4-2y_{1})^2}{16}+\dfrac{y_{1}^2}{12}=1$

$\Longleftrightarrow \ \dfrac{(2-y_{1})^2}{4}+\dfrac{y_{1}^2}{12}=1$

$\Longleftrightarrow \ 4y_{1}^{2}-12y_{1}=0$

$\therefore \ y_{1}=0,3$

(ⅰ) $y_{1}=0$ のとき,$x_{1}=4$ より

接線 $\boldsymbol{x=4}$

(ⅱ) $y_{1}=3$ のとき,$x_{1}=-2$ より,接線は $-\dfrac{1}{8}x+\dfrac{1}{4}y=1$ となるので

接線 $\boldsymbol{x-2y=-8}$

※ 接点を $(4\cos \theta,2\sqrt{3}\sin \theta)$ などとおいてもいいですね.

※ 接線を $y=m(x-4)+6$ として楕円と連立して判別式 $D=0$ で $m$ を出す方法もありますが,計算が大変です.

練習問題

練習

(1) 楕円 $\dfrac{x^2}{16}+\dfrac{y^2}{9}=1$ の接線と両座標軸とで作られる三角形の面積 $S$ の最小値を求めよ.

(2) 双曲線 $x^{2}-4y^{2}=1$ 上の点 $\rm P$ における接線と $2$ つの漸近線で囲まれる三角形の面積を求めよ.

(3) 放物線 $y^{2}=4px$ $(p>0)$ 上の点 ${\rm P}(x_{1},y_{1})$ $(x_{1}>0,y_{1}>0)$ における接線と $x$ 軸との交点を $\rm T$,放物線の焦点を $\rm F$ とすると,$\angle {\rm PTF}=\angle {\rm TPF}$ であることを示せ.

練習の解答

(1)

練習(1)

接点を $(4\cos \theta,3\sin \theta)$ とおく.$0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ として一般性を失わない.接線は

$\dfrac{(4\cos \theta)x}{16}+\dfrac{(3\sin \theta)y}{9}=1$

これは $\left(\dfrac{4}{\cos\theta},0\right)$,$\left(0,\dfrac{3}{\sin\theta}\right)$ を通る.

 $S$

$=\dfrac{4}{\cos\theta}\cdot \dfrac{3}{\sin\theta}\cdot \dfrac{1}{2}=\dfrac{12}{\sin2\theta}$

$\theta=\dfrac{\pi}{4}$ のとき,最小値 $\boldsymbol{12}$.


(2)

${\rm P}(x_{1},y_{1})$ とおくと接線は $x_{1}x-4y_{1}y=1$ であり,漸近線 $y=\dfrac{1}{2}x$ との交点を $\rm R$ とすると

${\rm R}\left(\dfrac{1}{x_{1}-2y_{1}},\dfrac{1}{2(x_{1}-2y_{1})}\right)$

漸近線 $y=-\dfrac{1}{2}x$ との交点を $\rm Q$ とすると

${\rm Q}\left(\dfrac{1}{x_{1}+2y_{1}},\dfrac{-1}{2(x_{1}+2y_{1})}\right)$

求める面積は

 $\displaystyle \triangle{\rm ORQ}$

$=\dfrac{1}{2}\left|\dfrac{1}{x_{1}-2y_{1}}\cdot\dfrac{-1}{2(x_{1}+2y_{1})}-\dfrac{1}{2(x_{1}-2y_{1})}\cdot\dfrac{1}{x_{1}+2y_{1}}\right|$ ←面積公式

$=\dfrac{1}{2}\left|\dfrac{1}{x_{1}^{2}-4y_{1}^{2}}\right|$

$=\dfrac{1}{2}\left|\dfrac{1}{1}\right|$

$=\boldsymbol{\dfrac{1}{2}}$

※ ${\rm P}$ の位置に関わらず面積が一定になりますね.


(3) 微分による方法で接線を出す解答です.

$y^{2}=4px$ を両辺 $x$ で微分すると

$2y\dfrac{dy}{dx}=4p$

$y\neq 0$ のとき

$\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{2p}{y}$

${\rm P}(x_{1},y_{1})$ での接線は

 $y$

$=\dfrac{2p}{y_{1}}(x-x_{1})+y_{1}$

$=\dfrac{2px}{y_{1}}-\dfrac{2px_{1}}{y_{1}}+\dfrac{y_{1}^{2}}{y_{1}}$

$=\dfrac{2px}{y_{1}}-\dfrac{2px_{1}}{y_{1}}+\dfrac{4px_{1}}{y_{1}}$

$=\dfrac{2p}{y_{1}}(x+x_{1})$

練習(3)

これより,${\rm T}(-x_{1},0)$ なので

${\rm TF}=p+x_{1}={\rm PH}$

放物線の定義より ${\rm PH=PF}$ なので

${\rm TF=PF}$

これより $\triangle \rm PFT$ は二等辺三角形なので $\angle {\rm PTF}=\angle {\rm TPF}$ である.

※ 以上の内容は放物線の有名な性質です.

練習(3)補足

$x$ 軸に平行な放物線に進行する直線は,放物線に跳ね返されるとすべて焦点に到達することの証明です.パラボナアンテナの基本原理です.