2・4型(特性方程式型)の漸化式
タイプ:教科書範囲 レベル:★★

漸化式の基本はいったんここまでです.
今後の多くのパターンの核となるという意味で,漸化式の基本としてかなり重要なので,仕組みも含めて理解しておくようにしましょう.
例題と解法まとめ
例題
2・4型(特性方程式型) $a_{n+1}=pa_{n}+q$
数列 $\{a_{n}\}$ の一般項を求めよ.
$a_{1}=6$,$a_{n+1}=3a_{n}-8$
講義
このままでは何数列かわかりませんが, 下のように $\{a_{n}\}$ から $\alpha$ 引いた数列 $\{a_{n}-\alpha\}$ が等比数列だと言えれば,等比型の解き方でいけそうです.
$a_{n+1}-\alpha=3(a_{n}-\alpha)$
どうすれば $\alpha$ が求められるか.与式から上の式を引けば
$a_{n+1}=3a_{n}-8$
$\underline{- \ ) \ a_{n+1}-\alpha=3(a_{n}-\alpha)}$
$\alpha=3\alpha-8$
$\alpha$ を求めるための式(特性方程式)が出ます.解くと $\alpha=4$ (特性解)となります.
$a_{n+1}-4=3(a_{n}-4)$
となりますね.$\{a_{n}-4\}$ は初項 $a_{1}-4=2$,公比 $3$ の等比数列となって,$\{a_{n}-4\}$ の一般項を出せます.その後 $\{a_{n}\}$ の一般項を出します.
後は解答を見てください.特性方程式を使って特性解を導く途中過程は答案に書かなくても大丈夫です.
解答
$\alpha=3\alpha-8 \Longleftrightarrow \alpha=4$ より ←書かなくてもOK
$a_{n+1}-4=3(a_{n}-4)$ と変形すると,$\{a_{n}-4\}$ は初項 $a_{1}-4=2$,公比 $3$ の等比数列となるので,$\{a_{n}-4\}$ の一般項は
$\displaystyle a_{n}-4=2\cdot3^{n-1}$
$\{a_{n}\}$ の一般項は
$\boldsymbol{a_{n}=2\cdot3^{n-1}+4}$
特性方程式について
$a_{n+1}=pa_{n}+q$ の特性方程式は
$a_{n+1}=pa_{n}+q$
$\underline{- \ ) \ a_{n+1}-\alpha=p(a_{n}-\alpha)}$
$\alpha=p\alpha+q$
となります.以下にまとめます.
解法まとめ
$a_{n+1}=pa_{n}+q$ の解法まとめ
① 特性方程式 $\boldsymbol{\alpha=p\alpha+q}$ を作り,特性解 $\alpha$ を出す.←答案に書かなくてもOK
↓
② $\boldsymbol{a_{n+1}-\alpha=p(a_{n}-\alpha)}$ から,等比型の解法で $\{a_{n}-\alpha\}$ の一般項を出す.
↓
③ $\{a_{n}\}$ の一般項を出す.
練習問題
練習
数列 $\{a_{n}\}$ の一般項を求めよ.
(1) $a_{1}=2$,$a_{n+1}=6a_{n}-15$
(2) $a_{1}=-3$,$a_{n+1}=2a_{n}+9$
(3) $a_{1}=-1$,$5a_{n+1}=3a_{n}+8$
練習の解答