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斜軸回転体の体積(応用編:複素数の回転利用)

数学Ⅲ既習者(難関大対策) ★★★★

アイキャッチ

斜軸回転の問題は,斜軸回転体の体積(基本編)が基本です.

ここでは,複素数の回転を使って解く方法を扱います.

斜軸回転体の体積の求め方まとめ

斜軸回転体の体積の求め方

回転軸に垂直に積分する方法(基本編)

複素数の回転利用(応用編)(このページです!)

傘型積分(応用編)


Ⅰの基本編の考え方が難しいと感じる人には,Ⅱの複素数の回転を使って回転し,強引に $\boldsymbol{x}$ 軸回転の問題として解く方法をオススメします.

解く手間もそこまで変わらず,発想がわかりやすいです.

複素数の回転利用での解き方

複素数の回転利用での解き方

1.曲線を斜軸の傾いた角度だけ,マイナス方向に回転させる.

2.$x$ 軸回転体の問題として解く.


この方法では,曲線を複素数の回転によって回転させる知識と計算力が必要です.

多くの場合で媒介変数表示になると思います.

例題と練習問題

例題

例題

$x\geqq 0$ で $y=x$,$y=x^3$ で囲まれた部分を $y=x$ の周りに1回転してできた立体の体積 $V$ を求めよ.


解説と解答

斜軸回転例題の図1

図の黄色の部分が該当箇所です.

$y=x^3$ を原点を中心に $-45$° 回転すれば,$x$ 軸回転の問題になるはずです.


斜軸回転例題の図2

$y=x^3$ 上の $(t,t^3)$ を $-45$°回転した点を $(X,Y)$ とします.

そこで,これらを一度複素数平面上に起こして,$t+t^{3}i$ を $-45$° 回転した点を $X+Yi$ とします.

 $X+Yi$

$=(t+t^{3}i)\left\{\cos\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)+i\sin\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)\right\}$

$=(t+t^{3}i)\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}-\dfrac{1}{\sqrt{2}}i\right)$

$=\dfrac{t^{3}+t}{\sqrt{2}}+\dfrac{t^{3}-t}{\sqrt{2}}i$

となるので,回転した赤い曲線は

$\color{red}{\begin{cases}X=\dfrac{t^{3}+t}{\sqrt{2}} \\ Y=\dfrac{t^{3}-t}{\sqrt{2}}\end{cases}}$

となり,媒介変数表示できました.求める体積は,半径 $Y$ の円を $X$ で積分すればいいので

 $V$

$\displaystyle =\int_{0}^{\sqrt{2}}Y^{2}\pi \,dX$

$\displaystyle =\pi\int_{0}^{1}\left(\dfrac{t^{3}-t}{\sqrt{2}}\right)^{2} \,\dfrac{dX}{dt}dt$ ← $t$ で置換

$\displaystyle =\pi\int_{0}^{1}\left(\dfrac{t^{6}-2t^{4}+t^{2}}{2}\right) \,\dfrac{3t^{2}+1}{\sqrt{2}}dt$

$\displaystyle =\dfrac{\pi}{2\sqrt{2}}\int_{0}^{1}(3t^{8}-5t^{6}+t^{4}+t^{2})\,dt$

$=\boldsymbol{\dfrac{4\sqrt{2}\pi}{105}}$

練習問題

練習

曲線 $\sqrt{x}+\sqrt{y}=1$ と $x$ 軸,$y$ 軸で囲まれた部分を,直線 $y=x$ の周りに回転してできる立体の体積 $V$ を求めよ.

解答

$\sqrt{x}+\sqrt{y}=1$ を $y$ について解くと,$y=1+x-2\sqrt{x}$

斜軸回転練習の図1

図のピンクの回転体の体積を求めます.そのために

斜軸回転練習の図2

底面積 $\left(\dfrac{\sqrt{2}}{2}\right)^{2}\pi$,高さ $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ の円錐から,図の黄色の回転体の体積を引きます.黄色の回転体の体積の体積を求めるために,$y=1+x-2\sqrt{x}$ を原点を中心に $-45$° 回転します.

斜軸回転練習の図3

図のように,$y=1+x-2\sqrt{x}$ 上の $(t,1+t-2\sqrt{t})$ を $-45$°回転した点を $(X,Y)$ とします.

複素数平面上に起こして,$t+(1+t-2\sqrt{t})i$ を $-45$° 回転した点を $X+Yi$ とします.

 $X+Yi$

$=\{t+(1+t-2\sqrt{t})i\}\left\{\cos\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)+i\sin\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)\right\}$

$=\{t+(1+t-2\sqrt{t})i\}\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}-\dfrac{1}{\sqrt{2}}i\right)$

$=\dfrac{2t-2\sqrt{t}+1}{\sqrt{2}}+\dfrac{-2\sqrt{t}+1}{\sqrt{2}}i$

となるので

$\begin{cases}X=\dfrac{2t-2\sqrt{t}+1}{\sqrt{2}} \\ Y=\dfrac{-2\sqrt{t}+1}{\sqrt{2}}\end{cases}$

(ここから例題と同じように積分してもいいのですが,$t$ を消します.)

$Y=\dfrac{-2\sqrt{t}+1}{\sqrt{2}} \Longleftrightarrow \sqrt{t}=-\dfrac{1}{\sqrt{2}}Y+\dfrac{1}{2}$ より

 $X$

$=\sqrt{2}(\sqrt{t})^{2}+\dfrac{-2\sqrt{t}+1}{\sqrt{2}}$

$=\sqrt{2}\left(-\dfrac{1}{\sqrt{2}}Y+\dfrac{1}{2}\right)^{2}+Y$

$=\dfrac{1}{\sqrt{2}}Y^{2}+\dfrac{\sqrt{2}}{4}$

$\Longleftrightarrow Y^{2}=\sqrt{2}X-\dfrac{1}{2}$ ←放物線


よって

 $V$

$\displaystyle =(円錐)-\int_{\frac{\sqrt{2}}{4}}^{\frac{\sqrt{2}}{2}}Y^{2}\pi \,dX$

$\displaystyle =\left(\dfrac{\sqrt{2}}{2}\right)^{2}\pi \times \dfrac{\sqrt{2}}{2}\times\dfrac{1}{3}-\pi\int_{\frac{\sqrt{2}}{4}}^{\frac{\sqrt{2}}{2}}\left(\sqrt{2}X-\dfrac{1}{2}\right) \,dX$

$\displaystyle =\dfrac{\sqrt{2}}{12}\pi-\pi \left[\frac{\sqrt{2}}{2}X^{2}-\frac{1}{2}X\right]_{\frac{\sqrt{2}}{4}}^{\frac{\sqrt{2}}{2}}$

$=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{2}}{48}\pi}$