重複組合せ
場合の数(教科書範囲) ★★★
重複組合せの問題を扱います.
検定教科書では発展に含まれることが多いですが,定期試験や入試で頻出です.
重複組合せ
区別がつかない $6$ 個のメロンを $3$ 人(X,Y,Z)に分ける問題を考えます.
○ ○ ○ ○ ○ ○
メロンに区別がないので,メロンを $3$ つの領域に分けることさえできれば,それぞれの取り分を決定できます.つまり,$\boldsymbol{3}$ つの領域に分けるための仕切りが $\boldsymbol{2}$ 本必要です.
左の仕切りの左 $\cdots$ Xの取り分
2つの仕切りの間 $\cdots$ Yの取り分
右の仕切りの右 $\cdots$ Zの取り分
と決定すれば,個数配分と図は,仕切りを|とすると例として以下のようになります.
(X,Y,Z) $=$ ( $2$,$2$,$2$ )のとき
X Y Z
○ ○ | ○ ○ | ○ ○
(X,Y,Z) $=$ ( $4$,$0$,$2$ )のとき
X Y Z
○ ○ ○ ○ | | ○ ○
(X,Y,Z) $=$ ( $0$,$0$,$6$ )のとき
X Y Z
| | ○ ○ ○ ○ ○ ○
のように,どんな個数配分でも○と|で表現できまるので画期的です.つまり,○と|の同じものを含む順列で総数が求められます.
重複組合せ
区別がつかないモノを○とし,仕切り|を用いて同じものを含む順列で考える.
例題と練習問題
例題
例題
次の場合の数は何通りか.
(1) 区別がつかない $7$ 個のみかんを $3$ 人に分ける.$1$ 個ももらえない人がいてもよい.
(2) 区別がつかない $7$ 個のみかんを $3$ 人に分ける.$1$ 個ももらえない人はいない.
(3) $x+y+z=8$,$x\geqq0$,$y\geqq0$,$z\geqq0$ を満たす整数 $x$,$y$,$z$ の組は何組あるか.
(4) $x+y+z=8$,$x\geqq 1$,$y\geqq 1$,$z\geqq 1$ を満たす整数 $x$,$y$,$z$ の組は何組あるか.
講義
(1) $7$ 個の○を $3$ 人に分けます.|が $2$ 本必要です.
(2) 事前に $3$ 人に $1$ 個ずつ○を配ってから,残り○ $4$ 個で(1)と同じように考えます.
(3) $8$ 個の○を $3$ 人に分ける問題と同じです.|が $2$ 本必要です.
(3) $8$ 個の○を $3$ 人に分ける問題と同じです.事前に $1$ 個ずつ○を配っておきます.
解答
(1)
X Y Z
○ ○ ○ | ○ ○ | ○ ○
○ × $7$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{9!}{7!2!}= \hspace{-0.5mm} _{9}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{36(通り)}$
(2)
X○ Y○ Z○
○ ○ | ○ | ○
○ × $4$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{6!}{4!2!}= \hspace{-0.5mm} _{6}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{15(通り)}$
(3)
$x$ $y$ $z$
○ ○ ○ | ○ ○ ○ | ○ ○
○ × $8$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{10!}{8!2!}= \hspace{-0.5mm} _{10}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{45(通り)}$
(4)
$x$○ $y$○ $z$○
○ ○ | ○ ○ | ○
○ × $5$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{7!}{5!2!}= \hspace{-0.5mm} _{7}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{21(通り)}$
練習問題
練習
次の場合の数は何通りか.
(1) $3$ 人の候補者に対して $10$ 人の選挙人が無記名で投票するとき,票の割れ方は何通りあるか.
(2) $(a+b+c+d)^{5}$ の展開式の異なる項の数を求めよ.
(3) $x+y+z=6$,$x\geqq0$,$y\geqq0$,$z\geqq0$ を満たす整数 $x$,$y$,$z$ の組は何組あるか.
(4) $x+y+z=6$,$x\geqq 2$,$y\geqq 1$,$z\geqq 0$ を満たす整数 $x$,$y$,$z$ の組は何組あるか.
解答
(1)
X Y Z
○ ○ ○ ○ | ○ ○ ○ | ○ ○ ○
○ × $10$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{12!}{10!2!}= \hspace{-0.5mm} _{12}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{66(通り)}$
(2)
$a$ $b$ $c$ $d$
○ ○ | ○ | ○ | ○
○ × $5$,| × $3$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{8!}{5!3!}= \hspace{-0.5mm} _{8}{\rm C}_{3}=\boldsymbol{56(通り)}$
(3)
$x$ $y$ $z$
○ ○ | ○ ○ | ○ ○
○ × $6$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{8!}{6!2!}= \hspace{-0.5mm} _{8}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{28(通り)}$
(4)
$x$○○ $y$○ $z$
○ | ○ | ○
○ × $3$,| × $2$ の同じものを含む順列より
$\dfrac{5!}{3!2!}= \hspace{-0.5mm} _{5}{\rm C}_{2}=\boldsymbol{10(通り)}$