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指数,対数関数の微分と $e$ の定義はなぜ必要か

タイプ:教科書範囲 レベル:★★ 


アイキャッチ

ここでは指数,対数関数の微分をします.

数学のストーリーを意識して,今回は対数関数から微分を考え,それに伴い登場する $e$ の定義を紹介します.演習問題も用意しました.






指数・対数関数の微分公式

ポイント

指数,対数関数の微分

$a>0,a\neq 1$ のとき

(ⅰ) $\displaystyle \boldsymbol{(a^{x})'=a^{x}\log a}$

↓特に $a=e$

(ⅱ) $\displaystyle \boldsymbol{(e^{x})'=e^{x}}$


(ⅲ) $\displaystyle \boldsymbol{(\log_{a} x)'=\dfrac{1}{x\log a}}$

 $\displaystyle \boldsymbol{(\log_{a}|x|)'=\dfrac{1}{x\log a}}$

↓特に $a=e$

(ⅳ) $\displaystyle \boldsymbol{(\log x)'=\dfrac{1}{x}}$

 $\displaystyle \boldsymbol{(\log_{}|x|)'=\dfrac{1}{x}}$


対数関数の微分公式から考えることでストーリーがわかりやすいと思っています.次の章で(ⅲ)の証明をします.




対数関数の微分と $e$ の定義登場

(ⅲ)の証明を導関数の定義を使って考えます.



対数関数の微分はどうなるか((ⅲ)の証明)

(ⅲ)の証明

$f(x)=\log_{a} x$ とおくと

 $f'(x)$

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}$ ←導関数の定義

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\dfrac{\log_{a}(x+h)-\log_{a}x}{h}$

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{h}\log_{a}\dfrac{x+h}{x}$

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\log_{a}\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}$

  ↓ $\displaystyle \dfrac{h}{x}=t$

$\displaystyle =\lim_{t\to 0}\log_{a}(1+t)^{\frac{1}{t x}}$

$\displaystyle =\lim_{t\to 0}\log_{a}\left\{(1+t)^{\frac{1}{t}}\right\}^{\frac{1}{x}} \ \cdots$ (i)

果たして上の極限は??


ざっと書きましたが,(i)まで辿り着いたところで,$\displaystyle \boldsymbol{\lim_{t\to 0}(1+t)^{\frac{1}{t}}}$ に出会います.対数関数を微分するためには避けて通れません.

この極限値はどうなるでしょうか.$1+t$ は $1$ より大きい数なので $\infty$ になるという考え方.あるいは $1+t$ が $1$ に向かうので $\infty$ 乗しても $1$ になるという考え.あるいは $1$ でも $\infty$ でもない他の値.

これに関しては, $\boldsymbol{1}$ でも $\boldsymbol{\infty}$ でもない,およそ $\boldsymbol{2.71828\cdots}$ 程度の値に収束することがわかっていて,その値を $\boldsymbol{e}$ と定義します.


ポイント

$e$ の定義

(Ⅰ) $\displaystyle \boldsymbol{\lim_{t\to 0}(1+t)^{\frac{1}{t}}=e}$

⇅$\displaystyle t=\dfrac{1}{x}$

(Ⅱ) $\displaystyle \boldsymbol{\lim_{x\to \infty}\left(1+\dfrac{1}{x}\right)^{x}=e}$

⇅ $e^{h}-1$ を置換え

(Ⅲ) $\displaystyle \boldsymbol{\lim_{h\to 0}\dfrac{e^{h}-1}{h}=1}$

※(Ⅲ)は指数関数の微分から考える $e$ の定義です.



$e$ がなぜ存在するか.

なぜ有限の値に収束するかは,若干レベルが高いので,下の" $e$ がなぜ存在するのか"に記述しました.

$e$ がなぜ存在するのか



改めて(ⅲ)の証明

(ⅲ)の証明

$f(x)=\log_{a} x$ とおくと

 $f'(x)$

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}$ ←導関数の定義

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\dfrac{\log_{a}(x+h)-\log_{a}x}{h}$

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{h}\log_{a}\dfrac{x+h}{x}$

$\displaystyle =\lim_{h\to 0}\log_{a}\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}$

   ↓ $\displaystyle \dfrac{h}{x}=t$

$\displaystyle =\lim_{t\to 0}\log_{a}(1+t)^{\frac{1}{t x}}$

$\displaystyle =\lim_{t\to 0}\log_{a}\left\{(1+t)^{\frac{1}{t}}\right\}^{\frac{1}{x}}$

$\displaystyle =\log_{a}{\color{red}{e}}^{\frac{1}{x}}$

$\displaystyle =\dfrac{\log_{a}e}{x}$

$\displaystyle =\dfrac{1}{x\log_{e}a}$

$\displaystyle =\dfrac{1}{x\log a} \ \cdots $ ☆


底が $e$ のときは☆のように普通省略します.

(ⅲ)が証明できれば,(ⅳ)は $a=e$ とするだけです.下の練習問題で指数関数の微分を収録しました.




例題と練習問題

例題

例題

次の関数を微分せよ.

(1) $y=\log_{}(x^{2}+4)$

(2) $y=\log_{2}|3x|$

(3) $y=3^{x^{2}}$

(4) $y=e^{-2x}$


講義

上の公式を使いますが,積の微分と商の微分合成関数の微分も使います.


解答

(1)

$\boldsymbol{y'}=\dfrac{1}{x^{2}+4}(x^{2}+4)'\boldsymbol{=\dfrac{2x}{x^{2}+4}}$


(2)

$\boldsymbol{y'}=\dfrac{1}{3x\log 3}(3x)'\boldsymbol{=\dfrac{1}{x\log 3}}$


(3)

$\boldsymbol{y'}=3^{x^{2}}\log 3 \cdot(x^{2})'\boldsymbol{=2(\log 3)x \cdot 3^{x^{2}}}$


(4)

$\boldsymbol{y'}=e^{-2x}(-2x)'\boldsymbol{=-2e^{-2x}}$



練習問題

練習1

次の関数を微分せよ.

(1) $y=(\log_{}x)^{2}$

(2) $y=e^{x}\sin x$

(3) $y=\dfrac{e^{x}-e^{-x}}{e^{x}+e^{x}}$


練習2

導関数の定義を用いて,$f(x)=a^{x}$ を微分せよ.

練習の解答



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