7の倍数の判定法
数学ⅡB既習者(難関大対策+) ★★
7の倍数の判定法について扱います.
当ページが扱う手法で11と13の倍数の判定法にも使えます.
大学受験ではほぼ出ないので,数列まで既習した一部の興味がある人向けです.
7の倍数の判定法
$7$ の倍数の判定法
調べたい数を $N$ とする.
Ⅰ $N$ を $3$ 桁ごとに区切り,奇数グループの総和と偶数グループの総和の差が $7$ の倍数なら $N$ が $7$ の倍数.
Ⅱ $N=10a+b$ ( $a$,$b$ は整数.$0\leqq b \leqq 9$ )として,$a-2b$ が $7$ の倍数なら $N$ が $7$ の倍数.
Ⅰ,Ⅱどちらも実用性がやや疑問で覚える必要はないと思いますが,大きな桁に対してはⅠが有効です.
しかも,Ⅰの方法は11の倍数,13の倍数の判定法としても使えるので覚える価値はあるかもしれません.
当サイトとしては有用性,覚えやすさの観点からⅡや他の11や13の倍数の判定法には触れず,Ⅰについてのみ触れます.
例
例題でも取り上げますが,例えば $135792468$ では以下の流れになります.
$\large 135792468$
↓
$\large 135|792|468$
↓
$\large 468+135-792=-189\equiv 0 \ (\hspace{-3mm} \mod 7)$
↓
$\large 135792468\equiv 0 \ (\hspace{-3mm} \mod 7)$
※ 偶数グループの総和から奇数グループの総和を引いてもOKです.
※ 倍数の表現に合同式を使用しています.
補題と判定法の証明
前章のⅠの証明に必要なので,以下の補題を紹介します.
補題
$n$ を自然数とする.$1000^{n}+(-1)^{n-1}$ は $7$ の倍数かつ $11$ の倍数かつ $13$ の倍数である.
本質は $1001=7\times 11\times 13$ と表せるからなのですが,証明は合同式または数学的帰納法(練習問題に7の倍数の証明が記載)で容易にできるのでここでは割愛します.
改めて7(11,13)の倍数の判定法を紹介し,上の補題を使って証明します.
$7$ の倍数,$11$ の倍数,$13$ の倍数の判定法
調べたい数を $N$ とする.
$N$ を $3$ 桁ごとに区切り,奇数グループの総和と偶数グループの総和の差が $7$ の倍数なら $N$ が $7$ の倍数.$11$ の倍数なら $N$ が $11$ の倍数.$13$ の倍数なら $N$ が $13$ の倍数.
証明
$7$ の倍数のときを証明すれば,$11$,$13$ でも同様なので $7$ の倍数のときのみを示す.
上の補題より $1000^{n}+(-1)^{n-1}$ は $7$ の倍数より
$1000^{n}+(-1)^{n-1}=7m_{n}$ $(m_{n}\in \mathbb{N})$
$\Longleftrightarrow \ 10^{3n}=7m_{n}+(-1)^{n}$
とおける.$N$ を右から順に $3$ 桁おきに区切った $n$ 個の $3$ 桁( $n$ 番目のみ $3$ 桁以下)の整数を $A_{i}$ ( $i=1,2,3,\cdots,n$ )とすると
$N$
$\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}10^{3i-3}A_{i}$
$\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\left\{7m_{i-1}+(-1)^{i-1}\right\}A_{i}$
$\displaystyle =7\sum_{i=1}^{n}m_{i-1}A_{i}+\sum_{i=1}^{n}(-1)^{i-1}A_{i}$
右の項,つまり奇数グループの総和と偶数グループの総和の差が $7$ の倍数ならば $N$ は $7$ の倍数.
例題と練習問題
例題
例題
次の数は $7$,$11$,$13$ の倍数であるか調べよ.
(1) $135792468$
(2) $23963940$
講義
$3$ 桁ごとに区切り,奇数グループの総和と偶数グループの総和の差を出します.
解答
(1)
$468+135-792=-189$
$-189$ は $7$ の倍数だが,$11$,$13$ の倍数ではない.つまり,$135792468$ は $\boldsymbol{7}$ の倍数だが,$\boldsymbol{11}$,$\boldsymbol{13}$ の倍数ではない.
(2)
$940+23-963=0$
$0$ は $7$,$11$,$13$ の倍数.つまり,$23963940$ は $\boldsymbol{7}$,$\boldsymbol{11}$,$\boldsymbol{13}$ の倍数.
練習問題
練習
次の数は $7$,$11$,$13$ の倍数であるか調べよ.
(1) $141421$
(2) $1357902468$
練習の解答
(1)
$421-141=280$
$280$ は $7$ の倍数だが,$11$,$13$ の倍数ではない.つまり,$135792468$ は $\boldsymbol{7}$ の倍数だが,$\boldsymbol{11}$,$\boldsymbol{13}$ の倍数ではない.
(2)
$468+357-(902+1)=-78$
$-78$ は $13$ の倍数だが,$7$,$11$ の倍数ではない.つまり,$1357902468$ は $\boldsymbol{13}$ の倍数だが,$\boldsymbol{7}$,$\boldsymbol{11}$ の倍数ではない.