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偶関数,奇関数の定積分

タイプ:教科書範囲 レベル:★★ 


アイキャッチ

偶関数,奇関数の定義と性質,そして定積分について扱います.本質的に同じなので数Ⅱ,数Ⅲともにこのページで扱います.

数Ⅱは基本的に多項式関数を,数Ⅲはすべての関数を扱います.

数Ⅱの積分を勉強中の人は,3章までです.



偶関数,奇関数の定義と性質

ポイント

偶関数,奇関数の定義

関数 $f(x)$ が任意の $x$ において

$\boldsymbol{f(-x)=f(x)}$

を満たすとき,$f(x)$ は偶関数といい

$\boldsymbol{f(-x)=-f(x)}$

を満たすとき,$f(x)$ は奇関数という.

偶関数であるものは例えば

$y=x^{n}$ ( $n$ は偶数)

$y=\cos x$

などがあり,奇関数であるものは例えば

$y=x^{n}$ ( $n$ は奇数)

$y=\sin x$

などがあります.

ポイント

偶関数,奇関数の性質

偶関数の性質:グラフが $\boldsymbol{y}$ 軸に関して対称.

偶関数のグラフ

奇関数の性質:グラフが原点に関して対称.

奇関数のグラフ

定義から明らかです.

偶関数,奇関数の定積分と証明

ポイント

偶関数,奇関数の定積分

(ⅰ) $f(x)$ が偶関数のとき

$\boldsymbol{\displaystyle \int_{-a}^{a}f(x)\,dx=2\int_{0}^{a}f(x)\,dx}$

(ⅱ) $f(x)$ が奇関数のとき

$\boldsymbol{\displaystyle \int_{-a}^{a}f(x)\,dx=0}$

積分範囲が上記のようになっていればラッキーで,楽に求められる公式です.

グラフの特徴から面積で考えても容易に理解できますが,下に証明を付けておきます.

証明

積分範囲を正の部分と負の部分に分けます.

証明


例題と練習問題(数Ⅱ)

例題

例題1

次の定積分を求めよ.

$\displaystyle \int_{-1}^{1}(x^{3}+3x^{2}+5x+1)\,dx$


講義

積分範囲を見ると偶関数,奇関数の定積分公式 が使えます.

$k$ を $0$ 以上の整数とすると

$\displaystyle \boldsymbol{\color{red}{\int_{-a}^{a}x^{2k}\,dx=2\int_{0}^{a}x^{2k}\,dx}}$

$\displaystyle \boldsymbol{\color{red}{\int_{-a}^{a}x^{2k+1}\,dx=0}}$

が成り立ちます.


解答

 $\displaystyle \int_{-1}^{1}(x^{3}+3x^{2}+5x+1)\,dx$

$\displaystyle =2\int_{0}^{1}(3x^{2}+1)\,dx$ ←偶関数のみ残す

$\displaystyle =2\Bigl[x^{3}+x\Bigr]_{0}^{1}$

$=\boldsymbol{4}$

練習問題

練習1

次の定積分を求めよ.

$\displaystyle \int_{-2}^{2}(x+2)^{2}(x-3)\,dx$

練習1の解答

例題と練習問題(数Ⅲ)

例題

例題2

次の定積分を求めよ.

(1) $\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}x\cos x\,dx$

(2) $\displaystyle \int_{-1}^{1}\dfrac{x+1}{x^{2}+1}\,dx$


講義

その場で考えればいいですが

偶関数 $\times$ 偶関数 $=$ 偶関数

偶関数 $\times$ 奇関数 $=$ 奇関数

奇関数 $\times$ 奇関数 $=$ 偶関数

の関係に気をつけます.(2)は分けると奇関数,偶関数となります.


解答

(1)

$(-x)\cos(-x)=-x\cos x$ より $x\cos x$ は奇関数.

$\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}x\cos x\,dx=\boldsymbol{0}$


(2)

$\dfrac{x+1}{x^{2}+1}=\dfrac{x}{x^{2}+1}+\dfrac{1}{x^{2}+1}$ とすると,$\dfrac{x}{x^{2}+1}$ は奇関数.$\dfrac{1}{x^{2}+1}$ は偶関数.

 $\displaystyle \int_{-1}^{1}\dfrac{x+1}{x^{2}+1}\,dx$

$\displaystyle =\int_{-1}^{1}\left(\dfrac{x}{x^{2}+1}+\dfrac{1}{x^{2}+1}\right)\,dx$

$\displaystyle =2\int_{0}^{1}\dfrac{1}{x^{2}+1}\,dx$

$\displaystyle =2\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\dfrac{1}{\tan^{2}\theta+1}\cdot\dfrac{1}{\cos^{2}\theta}\,d\theta$ ← $x=\tan\theta$ で置換

$\displaystyle =2\Bigl[\theta\Bigr]_{0}^{\frac{\pi}{4}}$

$=\boldsymbol{\dfrac{\pi}{2}}$

練習問題

練習2

次の積分を求めよ.

(1) $\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}(x+1)\sin x\,dx$

(2) $\displaystyle \int_{-1}^{1}x(x+e^{x}+e^{-x})\,dx$

練習2の解答



積分計算のパターンまとめ

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