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指数方程式・不等式

指数・対数(教科書範囲) ★★

アイキャッチ

指数関数による方程式・不等式について扱います.

指数方程式・不等式の解き方

指数方程式とは

$2^{x}=8$

などのように,指数関数を含む方程式です.未知数 $x$ を求めるためには

$2^{x}=2^{3}$

として,底を揃えるのが基本です.$x=3$ となります.

指数方程式・不等式の解き方

底を揃える

Ⅱ 必要なら指数関数を $t$ などと置き換えをする

※ 次の記述にあるように不等式の場合は底が $1$ より大きいか小さいかに注意.


指数不等式の場合の注意

以下の不等式では

指数関数のグラフaが1より大きい

$2^{x}>2^{1}$

$\Longleftrightarrow \ x>1$

として,そのまま指数を比較して不等号の向きもそのままになりますが,これは $y=2^{x}$ が単調増加だからです.

底が $\boldsymbol{1}$ より小さいとき,例として以下のような場合

指数関数のグラフaが1より小さい

$\left(\dfrac{1}{2}\right)^{x}>\left(\dfrac{1}{2}\right)^{1}$

$\Longleftrightarrow \ x\color{red}{<}1$

となり,不等号の向きが逆になるので注意です.これは $y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{x}$ が単調減少だからです.

指数不等式に限らず不等式の問題はグラフで考えるのが基本となります.

例題と練習問題

例題

例題

次の方程式・不等式を解け.

(1) $2^{x+1}=32$

(2) $3^{x}<3\sqrt{3}$

(3) $\left(\dfrac{1}{5}\right)^{x}>5$

(4) $9^{x}-10\cdot 3^{x}+9=0$


講義

指数方程式・不等式の解き方の方針で解いていきます.(4)は $t=3^{x}$ 等とおいて $t$ の $2$ 次方程式とみます.


解答

(1)

$2^{x+1}=2^{5}$

$\Longleftrightarrow \ x+1=5$

$\therefore \ \boldsymbol{x=4}$


(2)

$3^{x}<3^{\frac{3}{2}}$

$\therefore \ \boldsymbol{x<\dfrac{3}{2}}$


(3)

$\left(\dfrac{1}{5}\right)^{x}>\left(\dfrac{1}{5}\right)^{-1}$

$\therefore \ \boldsymbol{x<-1}$

※ 与式を $5^{-x}>5^{1}$ として考えてもいいですね.


(4)

$9^{x}=(3^{x})^{2}$ より $t=3^{x}$ とおくと

$t^{2}-10t+9=0$

$\Longleftrightarrow \ t=3^{x}=1,9$

$\therefore \ \boldsymbol{x=0,2}$

練習問題

練習

次の方程式・不等式を解け.

(1) $\left(\dfrac{1}{25}\right)^{x}>125$

(2) $4^{x+1}-2^{x+4}-128=0$

(3) $3^{2x-1}+1>28\cdot 3^{x-2}$

練習の解答

(1)

$\left(\dfrac{1}{5}\right)^{2x}>\left(\dfrac{1}{5}\right)^{-3}$

$\Longleftrightarrow \ 2x<-3$

$\therefore \ \boldsymbol{x<-\dfrac{3}{2}}$


(2)

両辺 $4$ で割ると

$4^{x}-4\cdot 2^{x}-32=0$

$t=2^{x}$ とおくと

$t^{2}-4t-32=0$

$\Longleftrightarrow \ (t+4)(t-8)=0$

$t=2^{x}>0$ より,$t=2^{x}=8$.

$\boldsymbol{x=3}$


(3)

両辺 $9$ をかけると

$3\cdot 3^{2x}+9>28\cdot 3^{x}$

$t=3^{x}$ とおくと

$3t^{2}+9>28t$

$\Longleftrightarrow \ (3t-1)(t-9)>0$

$\Longleftrightarrow \ t<3^{-1}$,$3^{2}<t$

$\therefore \ \boldsymbol{x<-1,2<x}$