円順列
場合の数(教科書範囲) ★★
円順列を扱います.
特に対象となるものがすべて異なる場合を扱います.同じものを含む円順列は高度なのでこのページでは扱いません.
じゅず順列はこのページでは扱いません.
円順列の問題の考え方
例
黒,赤,青,緑の $4$ 色の玉を円状に並べるのは何通りか.
円順列の問題のポイントは,回転して同じものは同じ並べ方としてみるという点にあります.
それを踏まえると,以下の $6$ 通りになります.
問題を解く上で,回転されると手に負えないので,回転を止めて考えるのがポイントになります.
黒が上にあるときで固定して,回転を止めてみます.
固定すればもう回転はしないので,残りの赤青緑の3個の順列の問題になります.$3$ 個の順列なので $3!=6$ 通りです.
円順列の問題の解き方
何かで固定して(回転を止めて),残されたものの普通の順列の問題として考える.
異なる $n$ 個の円順列は,回転を止めるための固定に1個使うと,残りの $n-1$ 個の順列になるので
$(n-1)!$ 通り
※この公式を丸暗記しただけでは応用問題に対応できないので注意.
※固定して回転を止める考え方がオススメです.固定した後は円順列の問題ではなくなります.
例題と練習問題
例題
例題
父親,母親,子供 $4$ 人(男子 $2$ 人,女子 $2$ 人)の合計 $6$ 人を円状に並べるとき,次の場合は何通りか.
(1) 条件なし
(2) 両親が隣り合って並ぶ
(3) 両親が向かい合わせに並ぶ
(4) 男女が交互に並ぶ
講義
何かで固定して(下の解答では主に父親にします),残されたものの普通の順列の問題として考えます.
解答
(1)
$1$ 人固定すれば残り $5$ 人の順列になるので
$5!=\boldsymbol{120}$ (通り)
(2)
一旦両親を $1$ 人とみて両親で固定.両親の並べ方は $2!$ 通り.残り $4$ 人の順列になるので
$2!\times 4!=\boldsymbol{48}$ (通り)
(3)
父を上で固定すると,母もつられて固定.残り $4$ 人の順列になるので(円状に見えますが回転は止まっているので順列です!)
$4!=\boldsymbol{24}$ (通り)
(4)
父を上に固定.青い箇所に子供(男子)を並べるのは $2!$ 通り.赤い箇所に女性を並べるのは $3!$ 通りになるので
$2!\times 3!=\boldsymbol{12}$ (通り)
練習問題
練習
父親,母親,子供 $6$ 人(男子 $3$ 人,女子 $3$ 人)の合計 $8$ 人を円状に並べるとき,次の場合は何通りか.
(1) 条件なし
(2) 両親が隣り合って並ぶ
(3) 両親が向かい合わせに並ぶ
(4) 男女が交互に並ぶ
(5) 女性が $3$ 人以上隣り合うように並ぶ
練習の解答
(1) $7!=\boldsymbol{5040}$ (通り)
(2) 一旦両親を $1$ 人とみて両親で固定.両親の並べ方は $2!$ 通り.残り $6$ 人の順列になるので
$2!\times 6!=\boldsymbol{1440}$ (通り)
(3)
父を上で固定すると,母もつられて固定.残り $6$ 人の順列になるので
$6!=\boldsymbol{720}$ (通り)
(4)
父を上に固定.青い箇所に子供(男子)を並べるのは $3!$ 通り.赤い箇所に女性を並べるのは $4!$ 通りになるので
$3!\times 4!=\boldsymbol{144}$ (通り)
(5)
(ⅰ) 女性が $3$ 人隣り合うとき
以上の $3$ パターン.隣り合う女性の並べ方が $_{4}{\rm P}_{3}$ 通り.男性の並べ方が $4!$ 通りなので
$3\times _{4}{\rm P}_{3} \times 4!=1728$
(ⅱ) 女性が $4$ 人隣り合うとき
女性 $4$ 人で固定.女性の並べ方は $4!$ 通り.男性の並べ方が $4!$ 通りなので
$4!\times 4!=576$
(ⅰ)(ⅱ)より $1728+576=\boldsymbol{2304}$ (通り)