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区分求積法(基本編)

タイプ:教科書範囲 レベル:★★★ 


アイキャッチ

このページでは,区分求積法を初めて学ぶ人でも理解できるように解説します.基本的なタイプを例題,練習問題として用意しています.

和が $n$ 個でない場合( $2n$ 個など)の応用編は区分求積法(応用編)へ.





区分求積とは

唐突ですが,どうすれば滑らかな曲線の関数の面積を求めることができるかを,以下の図で考えます.

区分求積の導入

簡単のため,$0$ 〜 $1$ の区間の面積を考えます.これさえ求めることができれば,調整することで任意の面積が求められるはずです.

昔の数学者は,細かく長方形に分割して,それを足せばいいのではないかと考えました.

区分求積の導入2

上の図は幅を $8$ 等分して,長方形のブロックを並べたものです.しかし,$8$ 等分程度では,隙間やはみ出た箇所を考えると,近似できているとは言えませんよね.

そこで次に $16$ 等分してみます.

区分求積の導入3

いい感じに近づきましたね.しかしまだ隙間やはみ出た箇所があります.

そこで $\infty$ 等分にすれば,正確に面積として一致するはずだと考えるのが自然です.つまり,$n$ 等分して求めたブロックの和を,$n \to \infty$ するという操作をします.


区分求積の仕組み

上の図のように,$k$ 番目の長方形の面積は縦 $\times$ 横で $\displaystyle f\left(\dfrac{k}{n}\right)\dfrac{1}{n}$ です.これを $k$ が $0$ 番目から $n-1$ 番目までシグマで和をとります.その和で $n \to \infty$ すればいいので


$\displaystyle \lim_{n \to \infty}\sum_{k=0}^{n-1}f\left(\frac{k}{n}\right)\frac{1}{n}=\int_{0}^{1}f(x)\,dx$


となります.しかし左辺のシグマが,$0$ から $n-1$ の和では実用上不便なので,$1$ 番目から $n$ 番目までに変更するために左辺のみ式変形をします.

 $\displaystyle \lim_{n \to \infty}\sum_{k=0}^{n-1}f\left(\frac{k}{n}\right)\frac{1}{n}$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\left(\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right)\frac{1}{n}+f\left(\frac{0}{n}\right)\frac{1}{n}-f\left(\frac{n}{n}\right)\frac{1}{n}\right)$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right)\frac{1}{n}$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right)$


以下にまとめます.



ポイント

区分求積法

$\displaystyle \boldsymbol{\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right)=\int_{0}^{1}f(x)\,dx}$


取り急ぎ実用上,上記の形でのみ覚えておけば基本は対応できます.

区分求積は,極限の問題を,積分に対応させることが狙いです.




例題と練習問題

例題

例題

次の極限を求めよ.

$\displaystyle\lim_{n \to \infty}\left(\dfrac{1}{n+2}+\dfrac{1}{n+4}+\cdots+\dfrac{1}{3n}\right)$


講義

強引に上の公式が使えるようにします.手順は以下の通りです.

① シグマ表記する.

② $\dfrac{1}{n}$ をシグマの外に出して,シグマの中に $\dfrac{k}{n}$ の形を作る.

③ $\dfrac{k}{n}$ を $x$ に対応させて積分表記する.

というステップを踏みます.


解答

 $\displaystyle\lim_{n \to \infty}\left(\dfrac{1}{n+2}+\dfrac{1}{n+4}+\cdots+\dfrac{1}{n+2n}\right)$

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{n+2k}$ ← シグマ表記する

$\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{1+2\dfrac{k}{n}}$ ← $\dfrac{1}{n}$,$\dfrac{k}{n}$ を強引に作る

$\displaystyle =\int_{0}^{1}\dfrac{1}{1+2x}\,dx$ ← $\dfrac{k}{n}$ を $x$ に対応させる

$\displaystyle =\left[\frac{1}{2}\log(1+2x)\right]_{0}^{1}$

$\displaystyle =\boldsymbol{\frac{1}{2}\log3}$


高校数学における区分求積の問題は,極限の問題です.数列の無限和を積分に対応させています.



練習問題

練習

次の極限を求めよ.

(1) $\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{\sqrt{n}}\left(\dfrac{1}{\sqrt{n+1}}+\dfrac{1}{\sqrt{n+2}}+\cdots+\dfrac{1}{\sqrt{2n}}\right)$

(2) $\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{(n+1)^{2}}\sum_{k=1}^{n}ke^{\frac{k}{n}}$

(3) $\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{\sqrt[n]{(n+1)(n+2)\cdots(2n)}}{n}$

練習の解答


和が $n$ 個でない場合の応用編は区分求積法(応用編)へ.



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