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数学記号マニュアル

タイプ:基本事項 レベル: 


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数学の先生が黒板に書いている記号や,参考書に書いてある記号の中で,しっかりと教わったことがない知らない記号があるかもしれません.

管理人もついついこれらの記号を用いることがあるので,以下の目次にある記号を説明をします.


目次

(1) $\therefore$ よって

(2) $\because$ なぜならば

(3) $\Longleftrightarrow$ 同値変形

(4) $a \in A$ 要素が集合に属する記号

(5) $a \notin A$ 要素が集合に属さない記号

(6) $A \subset B$ 部分集合の記号

(7) $A=B$ 集合と集合が等しい(数Aの場合)

(8) $A\cup B$ 和集合

(9) $A\cap B$ 積集合

(10) $\overline{A}$ 補集合

(11) $\mathbb{N}$,$\mathbb{Z}$,$\mathbb{Q}$,$\mathbb{R}$ 数の体系の記号

(12) $(a,b)$,$[a,b]$ 開区間,閉区間

(13) $\longrightarrow$ ,$\longmapsto$ 写像(関数)の対応




$(1) \ \therefore$

よってという記号です.日本語の「よって」の意味をそのまま記号にしたものです.故に,したがって,などと同じ結論の意味を持ちます.




$(2) \ \because$

なぜならばという記号です.日本語の「なぜならば」の意味をそのまま記号にしたものです.


使用例

$x^2+x-12=0$ を満たす自然数 $x$ を求めよ.

解答

$(x-3)(x+4)=0$

$\therefore \ x=3$ ( $\because \ x$ は自然数)


このように使います.必ず使わなければいけないというものでもなく,他人が見たときにすっきりとわかりやすいように,そして自分が日本語を書く手間を省きたいときに使います.$\therefore$ は最後に結論として1回使いことが多いですが,特に回数に制限はありません.




$(3) \ \Longleftrightarrow$

同値変形の記号です.正式に数学Ⅰの集合と命題で学ぶ機会があります.必要十分条件の記号でもあります.

$\boldsymbol{A \Longleftrightarrow B}$ であるとは,$\boldsymbol{A\Longrightarrow B}$ ( $\boldsymbol{A}$ ならば $\boldsymbol{B}$ ) と $\boldsymbol{B\Longrightarrow A}$ ( $\boldsymbol{B}$ ならば $\boldsymbol{A}$ )が同時に成り立つことと同じです.

式変形が長くなるときに,上の式と下の式が同値ですよとアピールするために書くことがあります.


使用例

2次方程式 $4x^2+4x-48=0$ を解け.

解答

$4x^2+4x-48=0$

$\Longleftrightarrow x^2+x-12=0$

$\Longleftrightarrow (x-3)(x+4)=0$

$\Longleftrightarrow (x-3)(x+4)=0$

$\Longleftrightarrow x=\boldsymbol{3, \ -4}$


最後の $\Longleftrightarrow$ は $\therefore$ でもいいでしょうね.$\Longleftrightarrow$ を書くと時間がかかるので,書かない人も多いですし,書かなくてもいいのですが,入試問題等の難問を解いているときに,後から振り返ったときに自分と他人が見やすくなり,混乱しにくいというメリットがあります.

しかしこの同値変形の記号,意味もわからず多用する人が少なくなく,ただの式変形の記号とはき違えた誤用が以下の例です.


方程式$\sqrt{x^{2}+3}=2x$ を解け.

誤答

$\sqrt{x^{2}+3}=2x \ \cdots$ ①

 $\boldsymbol{\Longleftrightarrow}$ $x^{2}+3=4x^2 \ \cdots$ ②

 $\Longleftrightarrow 3x^2=3$

 $\Longleftrightarrow x^2=1$

 $\Longleftrightarrow x=\boldsymbol{\pm1}$


上記の赤色が付いた部分が誤りです.$x=-1$ を問題文の式に代入しても成り立たないことが明白です.

①と②は同値ではありません.① $\Longrightarrow$ ②は成り立ちますがその逆は成り立ちません.2乗をすると答えとして不適切なものが出現する可能性があるので注意が必要です.

正しい解答例です.


方程式$\sqrt{x^{2}+3}=2x$ を解け.

解答

$\sqrt{x^{2}+3}=2x \ \cdots$ ①

両辺2乗すると

 $x^{2}+3=4x^2$

 $\Longleftrightarrow 3x^2=3$

 $\Longleftrightarrow x^2=1$

 $\Longleftrightarrow x=\pm1$

①の左辺が正なので右辺も正であるから

 $x=\boldsymbol{1}$







$(4) \ a \in A$

$\boldsymbol{a}$ は $\boldsymbol{A}$ に属するという記号です.

櫻井翔 $\in$ 嵐

トランプ大統領 $\in$ アメリカ人

孫悟空 $\in$ サイヤ人

$3\in \mathbb{N}$

などのように使います.




$(5) \ a \notin A$

$\boldsymbol{a}$ は $\boldsymbol{A}$ に属さないという記号です.

広瀬すず $\notin$ 乃木坂46

藤原基央 $\notin$ RADWIMPS

クリリン $\notin$ サイヤ人

$\sqrt{7}\notin \mathbb{Z}$

などのように使います.




$(6) \ A \subset B$

$\boldsymbol{A}$ は $\boldsymbol{B}$ に含まれるという記号です.

TOKIO $\subset$ ジャニーズ

$\mathbb{Q}\subset \mathbb{R}$

などのように使います.

男 $\subset$ 男

といったように,等しくてもかまいません.




$(7) \ A=B$

$\boldsymbol{A}$ と $\boldsymbol{B}$ は等しいという記号です.

$A \subset B$ と $B \subset A$ が同時に成り立つときに $A=B$ となります. などのように使います.

ビートルズ $=\{$ポール,ジョン,ジョージ,リンゴ$\}$

などのように使います.







$(8) \ A\cup B$

$\boldsymbol{A}$ または $\boldsymbol{B}$と読みます.$A$ と $B$の和集合ともいいます.

$A=\{1,3,5,7,9\},B=\{2,3,5,7,11\}$ のとき

$A\cup B=\{1,2,3,5,7,9,11\}$




$(9) \ A\cap B$

$\boldsymbol{A}$ かつ $\boldsymbol{B}$ と読みます.$A$ と $B$ の積集合ともいいます.

$A=\{1,3,5,7,9\},B=\{2,3,5,7,11\}$ のとき

$A\cap B=\{3,5,7\}$




$(10) \ \overline{A}$

$\boldsymbol{A}$ の補集合と読みます.全体集合から $A$ を除いた集合です.

全体集合 $U=\{1,2,3,4,5\},A=\{2,4\}$ のとき

$\overline{A}=\{1,3,5\}$




$(11) \ \mathbb{N}$,$\mathbb{Z}$,$\mathbb{Q}$,$\mathbb{R}$,$\mathbb{C}$

左から順に,世界が狭い順になっています.

$\mathbb{N}$ :自然数全体の集合(natural number が由来)

$\mathbb{Z}$ :整数全体の集合(zahlen(これはドイツ語,おそらく英語のintgerは虚数と間違えるため) が由来)

$\mathbb{Q}$ :有理数全体の集合(商を意味するquotient(おそらくratinal numberは実数と間違えるため) が由来)

$\mathbb{R}$ :実数全体の集合(real number が由来)

$\mathbb{C}$ :複素数全体の集合(complex number が由来)

大学で習う記号なので,答案として使う際に注意が必要なのですが,主に数Aの整数で活躍します.


2けたの整数 $A$ があり,十の位の数を $x$,一の位の数を $y$ とする.$x+y$ が3の倍数のとき,$A$ は3の倍数であることを示せ.

解答

$x+y=3n$ ( $n$ は自然数)とすると

$A=10x+y$

 $=9x+(x+y)$

 $=3(3x+n)$

$3x+n$ は自然数より,$A$ は3の倍数である.


この答案は,上記の記号を用いれば,筆記が楽になります.赤い箇所が変わっているのでご覧ください.


2けたの整数 $A$ があり,十の位の数を $x$,一の位の数を $y$ とする.$x+y$ が3の倍数のとき,$A$ は3の倍数であることを示せ.

解答

$x+y=3n$ $( n \in \mathbb{N})$ とすると

$A=10x+y$

 $=9x+(x+y)$

 $=3(3x+n)$

$3x+n \in \mathbb{N}$ より,$A$ は3の倍数である.


以上のように,自然数であることを上のように表記すると楽ですね.

過去問解答と研究には,これで筆記しているものも多いです.




$(12)$ $(a,b)$,$[a,b]$

数Ⅲの関数の極限で正式に紹介されます.

$\{x \ | \ a < x < b ,x$ は実数 $\}$

で表される区間のことを開区間 $\boldsymbol{(a,b)}$ といいます.

$\{x \ | \ a \leqq x \leqq b ,x$ は実数 $\}$

で表される区間のことを閉区間 $\boldsymbol{[a,b]}$ といいます.また

$\{x \ | \ a < x \leqq b ,x$ は実数 $\}$

$\{x \ | \ a \leqq x < b ,x$ は実数 $\}$

で表される区間のことはそれぞれ半開区間といい,$\boldsymbol{(a,b]}$,$\boldsymbol{[a,b)}$ で表します.

$3 < x < 5$ → $(3,5)$

$7 \leqq x$ → $[7,\infty)$




$(13)$ $\longrightarrow$ ,$\longmapsto$

$X$ と $Y$ を集合とする.$X$ の元(要素) $x$ と $Y$ の元 $y$ を対応させる規則のことを $X$ から $Y$ への写像といい

$f:X \longrightarrow Y$

と表す.これは $X$ の任意の元 $x$ を $Y$ の元 $y$ に対応させる.この $y$ を $f$ による $x$ の像といい,$y=f(x)$ とし, この対応を

$f:x \longmapsto y$

と表す.

関数は写像の一種で,$X$ と $Y$ が $\mathbb{R}$ の部分集合であれば $f$ は関数と思っておいてこのサイトでは問題ないと思います.

写像は関数の拡張した概念です.



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