2次関数の決定
2次関数(教科書範囲) ★★
2次関数の決定について扱います.
少しバリエーションがありますが一通りの問題を扱います.
2次関数の決定の仕方
与えられた条件を満たす2次関数を求める問題を考えます.問題によって頂点がわかったり,通る3点がわかったり様々で,条件に応じて以下の中から使う2次関数のタイプを決めると楽に問題が解けます.
2次関数の決定に使うタイプ
Ⅰ 軸または頂点がわかっているとき
$\boldsymbol{\color{red}{y=a(x-p)^{2}+q}}$ 基本形
Ⅱ 通る点3点がわかっているとき
$\boldsymbol{\color{red}{y=ax^{2}+bx+c}}$ 一般形
Ⅲ $x$ 切片( $x$ 軸との交点)がわかっているとき
$\boldsymbol{\color{red}{y=a(x-\alpha)(x-\beta)}}$
例題と練習問題
例題
例題
次の条件を満たす放物線をグラフにもつ2次関数を求めよ.
(1) 点 $(1,-1)$ を頂点とし,点 $(3,7)$ を通る.
(2) 3点 $(1,4)$,$(-1,6)$,$(2,6)$ を通る.
(3) 3点 $(-1,0)$,$(2,0)$,$(0,2)$ を通る.
講義
上のタイプのどのタイプを使うかがポイントです.使うタイプを間違えると問題が解けない場合があります.
解答
(1)
頂点が $(1,-1)$ なので
$\boldsymbol{\color{red}{y=a(x-1)^{2}-1}}$
これが $(3,7)$ を通るので
$7=4a-1$
$\therefore \ a=2$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=2(x-1)^{2}-1}$
(2)
3点通るので
$\boldsymbol{\color{red}{y=ax^{2}+bx+c}}$
とおく.$(1,4)$,$(-1,6)$,$(2,6)$ を通るので
$\begin{cases}4=a+b+c \\ 6=a-b+c \\ 6=4a+2b+c\end{cases}$
解くと $a=1$,$b=-1$,$c=4$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=x^{2}-x+4}$
(3)
$(-1,0)$,$(2,0)$ 通るので
$\boldsymbol{\color{red}{y=a(x+1)(x-2)}}$
とおける.$(0,2)$ を通るので
$2=-2a$
$\therefore \ a=-1$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=-(x+1)(x-2)}$
練習問題
練習
次の条件を満たす放物線をグラフにもつ2次関数を求めよ.
(1) $x=4$ を軸とし,点 $(2,4)$,$\left(5,\dfrac{5}{2}\right)$ を通る.
(2) 3点 $(1,1)$,$(2,-5)$,$(3,-15)$ を通る.
(3) 3点 $(-2,0)$,$(3,0)$,$(2,-4)$ を通る.
(4) $x=-1$ で最大値 $1$ をとり,原点を通る.
(5) 放物線 $y=3x^{2}$ を平行移動した曲線で,頂点が $y=-x$ 上にあり,点 $(2,2)$ を通る.
解答
(1)
軸が $x=4$ なので
$y=a(x-4)^{2}+q$
とおける.$(2,4)$,$\left(5,\dfrac{5}{2}\right)$ を通るので
$\begin{cases}4=4a+q \\ \dfrac{5}{2}=a+q\end{cases}$
$\therefore \ a=\dfrac{1}{2}$,$q=2$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=\dfrac{1}{2}(x-4)^{2}+2}$
(2)
3点通るので
$y=ax^{2}+bx+c$
とおく.$(1,1)$,$(2,-5)$,$(3,-15)$ を通るので
$\begin{cases}1=a+b+c \\ -5=4a+2b+c \\ -15=9a+3b+c\end{cases}$
解くと $a=-2$,$b=0$,$c=3$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=-2x^{2}+3}$
(3)
$(-2,0)$,$(3,0)$ 通るので
$y=a(x+2)(x-3)$
とおける.$(2,-4)$ を通るので
$-4=-4a$
$\therefore \ a=1$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=(x+2)(x-3)}$
(4)
$x=-1$ で最大値 $1$ をとるので,頂点が $(-1,1)$.
$y=a(x+1)^{2}+1$
とおける.これが原点を通るので
$0=a+1$
$\therefore \ a=-1$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=-(x+1)^{2}+1}$
(5)
頂点を $(t,-t)$ とおくと
$y=3(x-t)^{2}-t$
とおける.これが $(2,2)$ を通るので
$2=3(2-t)^{2}-t$
解くと
$t=1,\dfrac{10}{3}$
求める2次関数は
$\boldsymbol{y=3(x-1)^{2}-1}$
$\boldsymbol{y=3\left(x-\dfrac{10}{3}\right)^{2}-\dfrac{10}{3}}$