2次関数のグラフの書き方
2次関数(教科書範囲) ★
2次関数の導入をし,グラフが書けるまで解説します.
2次関数は今後の数学の基礎になる分野で数学IAの中でも重要分野です.
2次関数とは
2次関数
$y=ax^{2}+bx+c$ 一般形
展開 ⇅ 平方完成
$y=a(x-p)^{2}+q$ 基本形
このとき,軸 $\boldsymbol{x=p}$,頂点 $\boldsymbol{(p,q)}$
※ 一般形や基本形という用語は正式な用語というより,通称です.
中学までは限定された $y=ax^{2}$ までを考えていましたが,高校ではより一般の2次関数を扱います.上のような一般形で表せる関数を2次関数といいます.
一般形で出されたら平方完成で基本形に変形することによって頂点がわかり,グラフを書くことができます.
そのため,平方完成という操作を習得することが急務です.
2次関数のグラフ
2次関数のグラフ
$y=a(x-p)^{2}+q$ において
$a>0$ のとき
$a<0$ のとき
続いて平方完成の仕方について説明します.
平方完成の仕方
平方完成の手順
$y=ax^{2}+bx+c$ を平方完成します.
$y$
$=a\left(x^{2}+\dfrac{b}{a}x\right)+c$ $\cdots$ STEP1
$=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^{2}-\dfrac{b^2}{4a}+c$ $\cdots$ STEP2
解説
STEP1:$a$ で1次まで括るのがポイントです.$a=1$ ならこのSTEPは無視します.
STEP2:2乗して $x^{2}+\dfrac{b}{a}x$ が出てくる式を考えます.$\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^{2}$ であればいいですが,STEP1になかった項が出てくるので引いて調整します.ここに慣れるまで少し時間がかかると思います.
2次関数のグラフの基本的な書き方
沢山点をうって繋いでいく必要はなく,頂点ともう1点うつと2次関数が決定するので,この論理でいうと最低この2点ほしいです.
2次関数のグラフの基本的な書き方
$y=ax^{2}+bx+c$ のグラフを書きます.
STEP1:平方完成して,頂点をうつ.
STEP2:都合のいい点( $y$ 切片が楽です)をうつ.
STEP3:うった点を通るように,放物線を意識して書く.
※ $y$ 切片とは点 $(0,c)$ のことです.
※ 頂点が無ければ3点必要ですが,普通頂点が必要でしょう.
このページではマス目など何もないところに書くことを前提としていますが,定期試験で解答欄にマス目がある場合は2次関数が通る
以下で実際に問題を見て丁寧に解説します.
例題と練習問題
例題
例題
次の2次関数の軸と頂点を求め,グラフをかけ.
(1) $y=x^{2}-6x+6$
(2) $y=2x^{2}+4x+3$
(3) $y=-\dfrac{1}{2}x^{2}+2x$
講義
2次関数のグラフの基本的な書き方に沿って書いていくのがオススメです.グラフは $a>0$ なら下に凸,$a<0$ なら上に凸も意識します.
解答
(1)
$y$
$=(x-3)^{2}-9+6$
$=(x-3)^{2}-3$
軸 $\boldsymbol{x=3}$,頂点 $\boldsymbol{(3,-3)}$
グラフは
(2)
$y$
$=2(x^{2}+2x)+3$
$=2(x+1)^{2}-2+3$
$=2(x+1)^{2}+1$
軸 $\boldsymbol{x=-1}$,頂点 $\boldsymbol{(-1,1)}$
グラフは
(3)
$y$
$=-\dfrac{1}{2}(x^{2}-4x)$
$=-\dfrac{1}{2}(x-2)^{2}+2$
軸 $\boldsymbol{x=2}$,頂点 $\boldsymbol{(2,2)}$
グラフは
練習問題
練習
次の2次関数の軸と頂点を求め,グラフをかけ.
(1) $y=x^{2}+4x+5$
(2) $y=\dfrac{1}{2}x^{2}-x+2$
(3) $y=-2x^{2}+3x+1$
解答
(1)
$y$
$=(x+2)^{2}-4+5$
$=(x+2)^{2}+1$
軸 $\boldsymbol{x=-2}$,頂点 $\boldsymbol{(-2,1)}$
グラフは
(2)
$y$
$=\dfrac{1}{2}(x^{2}-2x)+2$
$=\dfrac{1}{2}(x-1)^{2}-\dfrac{1}{2}+2$
$=\dfrac{1}{2}(x-1)^{2}+\dfrac{3}{2}$
軸 $\boldsymbol{x=1}$,頂点 $\boldsymbol{\left(1,\dfrac{3}{2}\right)}$
グラフは
(3)
$y$
$=-2\left(x^{2}-\dfrac{3}{2}x\right)+1$
$=-2\left(x-\dfrac{3}{4}\right)^{2}+\dfrac{9}{8}+1$
$=-2\left(x-\dfrac{3}{4}\right)^{2}+\dfrac{17}{8}$
軸 $\boldsymbol{x=\dfrac{3}{4}}$,頂点 $\boldsymbol{\left(\dfrac{3}{4},\dfrac{17}{8}\right)}$
グラフは